忘れ去られし物 ページ6
―A side―
病院から帰ってきてシャワーを浴びた私は少し眠ることにした。
夜型の生活を少しずつ変えていかないと。
シルクはマサイくんと事務所に行ってくると行って出掛けてしまったので一人きり。
ここ数日、一人になることがなかったから･･･
「一人は寂しいなぁ･････ん？」
え？ちょっと待って？
何か忘れてない？
「ああー！やらかした！昨日洗濯したのに････干してなーい！」
今まで気付かなかった自分にびっくりした。
「起きたらまた洗濯･････バカじゃん！」
洗濯機の中でくしゃくしゃになっているであろう洗濯物を偲びながらアラームを掛けて眠りについた。
･････
どれくらいの時間眠ってしまったのか？
部屋の中はカーテンの隙間からも光を感じられない。アラームを止めた記憶はなかったから確認すると
「えー！うそ！またやらかしたの？もぉー！どうしたらこんなに失敗するの？早く起きなきゃ！」
アラームがセットされていなかった･････
「ヤバいヤバい時間ないよ！」
リビングへのドアを開けると･････
「おはよー！結構寝たねーまだ寝てていいよ？」
ソファーでパソコンに向かうシルクがいてその隣には私の寝室にあったはずのセントバーナードのぬいぐるみがシルクの横に座っていた。
「いや、あの･････昨日洗濯忘れてて･････」
「あーそれな！洗濯し直してさっき干したから大丈夫！」
「ごめんなさい･････」
「昨日色々あったし、俺も忘れてたし･････気にすんな」
「うん。ありがとー。でもなんでラーメンがここに？」
「寂しいから持ってきた。コイツ可愛いしさーデ○○○しさーちゃんと舌もあって愛嬌あってさーマジ可愛いよね！てかラーメンってネーミングセンスやばない？」
「うーん、だってラーメン好きだし犬好きだし･････あ、実家にもこのぬいぐるみの小さいのもあって」
「ラーメン好きだからってそうならんだろ？えーコイツの小さいバージョン？絶対可愛いーじゃん！」
「シルクの部屋にもいっぱい可愛いもの飾ってあるよね。可愛いのが好きなんだね」
「そう！可愛いもの好き。見ていてほっこりするし集めるのも好き」
「うんうん。シルクの部屋見ればわかるよ。私雑だからその辺りのお掃除はシルクがやってね。壊したら嫌だし」
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作者名：愛琉 | 作成日時：2020年2月14日 21時
