眠りの森 ページ33
―Silk side―
静かな部屋に響き渡る着信音。
先に寝落ちしたAはまだすやすやと俺の腕の中で寝ていた。
「あービックリしたー･････電話か」
「シルク、お食事のお時間でーす！」
「OK！今行くわ」
ダホから連絡がきてAを起こすんだけど
さぁー、どうやって起こそうか？
「お客様！お客様！起きて下さい！終点ですよ！」
ちょっと激しめに揺り動かし声を掛けた。
「ん･････んぁ？笑点？･････すぅ･････」
「いやいや笑点じゃねぇって！寝るなー！Aご飯の時間だよ？」
「･････」
「えぇー！起きんのかい！じゃ、遠慮なく･････」
Aの上に股がり馬乗り状態。
「いただきます！」
おでこから下へ下へとリップ音を鳴らしながらキスをしまくる。
「ん･････し、シルク？」
唇を何度かついばむとやっと目覚めた。
「やっとお目覚めかよ。眠り姫みたいに寝てたな」
「うぅ･････馬乗り？」
「起きんから色々やってみた！」
「やめて････よね･･････すぅ････」
「えぇー！寝るなって！おーい！A？みんな待ってるよ？」
「うわっダメ！早く降りて？」
「どんだけ眠いのよ？ダホと変わらんて！」
やっと目覚めたAを連れて隣の部屋へ。
モトキ
「やっと来た！早く早く」
「わりぃ･････」
ンダホ
「Aちゃん、寝起きなの？目開いてないよ？」
「全然起きんくてダホ並みに大変だった」
マサイ
「顔洗っておいでよ。目覚めるぜ？」
「うん･････洗面所借りるね」
顔洗ってスッキリしたのかやたらと目がキラキラしててさっきまでのAはどこよ？
「大変お待たせいたしました！ホントごめんね！」
浴衣姿もあって丁寧な言葉使いされると美人女将にでもなったような錯覚。
どのタイミングでマサイに一眼を借りようか？
普段着ない浴衣姿のAを絶対に写真にしたいって！
でも、まずは飯か。
「A･････こっち」
「うん！」
テーブルには刺身の大きな舟盛りがででん！と盛大なアピールをしていて、迫力最高。それに負けないようにタラバガニ、花咲ガニ、毛ガニが主役は俺らに決まってんだろ？と言っているようにテーブルは賑やかだ。北海道名物、ジンギスカンにラーメンサラダがテーブルに乗りきれず別の小さなテーブルスタンバイしている。
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作者名：愛琉 | 作成日時：2020年2月14日 21時
