時差 ページ16
マンションの下に停められていた車に乗り込み空港へ。
ンダホ
「おはよ！おおっシルク、スーツじゃん！」
マサイ
「グッモーニン！久々にスーツ姿見たわ。シルクが遅いとか珍しいな」
「みんなおはよー。ごめんなさい、私が忘れ物ばっかしてて」
モトキ
「俺もよくするよ。こないだなんて家にさ電話忘れてさ。Aちゃんは忘れなかったから良かったよ！」
「おはよーさん。モトキも忘れ物多いよな。今日さーAが凄くてさ･････」
ンダホ
「は？何ソレ･･･朝から下ネタwww」
「違う違う！言葉抜けたわ。天然が凄くてさ･･･」
モトキ
「はぁ･････ビビった。まさかシルクがそーいうの自慢するとかないのから」
「する訳ねぇじゃん！デリカシーなさすぎだろ！隣にいるのにさありえんて」
俺の隣に座ったAはこれでもか！ってくらいに目が泳ぐ泳ぐ。
さっきのキス･････思い出してんだろうな。
一番後ろの座席に座ったからAの表情を誰も読み取ることはないが、振り返って見られたらバレんじゃねぇの？
「あっ！大変！」
Aが突然に叫ぶもんだからダホ以外みんなこっちを見た。
「な･････なんだよ？」
「だし巻き玉子･････冷凍してこなかった」
「今日さホント大丈夫？だし巻きなら兄貴が持って帰ったよ。Aだけ時差あんのか？」
「ほ、ホント？朝ごはん用かな？」
「いや･････親父とおかんのお土産用」
「え･････」
え、と言ったきり固まってしまった。
「おいおい･････どーしたん？時差から今度は石化したんか？いよいよやべぇな･････」
モトキ
「Aちゃん、大丈夫？」
マサイ
「シルク、石化の呪文マスターしたのか？」
ンダホ
「あふふふ！もーお！運転出来ないだろー！」
「だし巻き殻入ってるかもしれないのに･････お父さんとお母さん食べないで欲しい･････」
やっと動き始めたかと思えばぎゅっと目を瞑り両手を顔の前で祈るように固く絡め合わせていた。
「そんなに気になるなら連絡してみよっか？」
おかんにLINEしてみると･････
「あー、朝ごはんに食べたって。でも殻は入ってなかったし美味しかったよ！って」
「あぁ･････良かった。ありがと」
やっといつものAに戻ったけど
天然には時差があることが証明された。
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作者名：愛琉 | 作成日時：2020年2月14日 21時
