理性優位 ページ15
ずっとやりたかったんよ。
噂の壁ドン･････
「ちょっと！あ、危ないって･････痛っ」
無言でジリジリと詰め寄ると
Aは後退って頭を軽く壁にぶつけた。
―ドン！―
勢いよく壁に手を付けば音にビビったAは身体をビクッとさせ俺から目を背けて俯いてしまった。
Aの顔にそっと左手を添え俺の方へ向けさせた。
「A･････今日も可愛い！」
「からかわないで･････」
「挨拶したらさ･････我慢しないから」
「え･････」
「毎晩大丈夫？」
「毎晩？」
「そう、毎晩」
「は･････激しそう･････」
ちょっと困り顔なAも好き。
「今、想像したろ？www」
「し、してないって！バカ！早く行こ？」
わかりやすい。
絶対、想像してた。
慌てる所がまた可愛いし。
「はいはい･････じゃ行こ！」
チュッ！
触れるだけのキスをするつもりがAが首に手を回してきて
「シルク大好き･････」
なんて言うもんだから止まらんやん！
出来れば今すぐにでも･････
最後まで･････したいのに！
出来んのよ･････理性がお利口すぎて。
「あっ･････もうダメ･････」
Aはその瞬間にズルズルと床に滑り込むようにペタンと座った。
「だ、大丈夫？」
「はぁはぁ･････ストッキング滑るから頑張って耐えてたんだけど･････シルクが激しいからムリだった」
「Aの方が激しかったと思うけど？」
マジ行く前に何してるんだ･････俺たち。
―ピンポーン！―
「やっべぇ！迎えに来た！」
「うわぁ！急がないと！」
それぞれ口元を手で拭いながら靴を履いて玄関を開けた。
「うぃー！おはよー。スーツ決まってるね！全然降りて来ないから心配したよ？」
「モトキ、おはよっ！わりぃな･････まだ荷物あんのよ」
「モトキくん、わざわざごめんね。私鍵開けるから」
「はいはーい」
「A、こっちに忘れ物ないか？」
「たぶんないよ？」
「電話持った？」
「あ･････あははは」
「もぉー！忘れ物あんじゃん。俺が取りに行くから、そっち鍵開けてて」
「家出る前で良かったね。荷物持つよ？」
「シルクごめんね。モトキくんありがと」
「はい、電話ね。荷物･････モトキサンキューな。ちゃんと鍵掛けてよし！行こう！」
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作者名：愛琉 | 作成日時：2020年2月14日 21時
