兄クロード ページ11
―Silk side―
「さてと、明日の準備しちゃうか･････」
Aに一泊分の着替えの用意を天候を理由にさせたので全く気付いちゃいない。
やっぱ俺って頭いい！
俺の方は結婚の挨拶なので普段は全く着ないスーツを用意した。
バックには着替え一式とカメラやパソコン、バッテリーなども詰めて･････
お土産は昨日UUUMに行って持ってきたフィッシャーズグッズとプリンとひよこもンダホの車に置いてある。
「忘れ物ないかな･････よし！」
撮影するつもりはないけど念の為に持って行くことにした。
「帰ってきたらUUUMに結婚の報告してソロ動画撮らないと･････」
やる事いっぱいあんな･････
―ピンポーン―
「兄貴かAか･････兄貴か」
インターホンの画面に映る兄貴の姿。
招き入れるとリビングまで来て
「あれ？彼女は？」
「明日北海道行くからその準備中。もうそろそろ来るよ。ビール飲むだろ？つまみも頼んだからさ」
家にあった柿ピーをじゃらじゃらと皿に出してつまみながらAを待った。
すると･････
―ピンポーン―
「来た来た！」
「お待たせ･････ご注文のだし巻き玉子！」
「サンキュー！兄貴来てるよーってどんだけ作ってんだよ？」
「あはは･････だよね。でも玉子ね全部割れてたの。だから使っちゃった。家空けるしね。ちゃんと着替えてきた方がいいかな？」
「ん･････そのままでいいって」
ラーメンから帰ってきて一旦自宅に戻ったAは後は寝るだけのラフな格好になっていた。
お皿にてんこ盛りになってるだし巻き玉子の迫力が半端ねぇ！
「お邪魔しまーす！」
「来た来た。初めまして、諒の兄の慶です」
座っていた兄貴は立ち上がり頭を下げた。
「初めまして、柊 Aと申します。よろしくお願いします」
Aも兄貴に深々と頭を下げた。
「じゃ、飲も飲も！兄貴、Aの作っただし巻き玉子･････」
「はぁ？すげぇ量だな！動画でも撮るのか？」
「いや･････さっき玉子買ってきて割れてたらしい。多分俺が持ってたからかな？」
「それは割れるって。力加減知らん奴」
「シルク？箸どこ？取り皿は？」
「箸はどっかにある。取り皿はないな」
「えー！ないの？持ってくるね。箸も見当たらないし･････」
「マジ？」
「うん、ちょっと行ってくるねー」
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作者名：愛琉 | 作成日時：2020年2月14日 21時
