麻貴ちゃんだから、 (ページ29)

今日:11 hit、昨日:27 hit、合計:19,326 hit

平手友梨奈ページ29

デビュー曲｢サイレントマジョリティー｣のセンターが平手ちゃんに決まった。

ねるちゃん以外の21人が選抜入り。

フォーメーションは1列目が5人、2列目が7人、3列目が9人。

その中で私は3列目の右から2番目。

選抜に入れただけでも感謝するべきなんやろうけど、どうしても比べてまうのが平手ちゃんとの差。

年はそこまで変わらんのに、私と平手ちゃんには圧倒的に違う何かがある。

どうしたら彼女みたいになれるんやろう、最近はそればかり考えとる。

平手｢くーら！｣

倉咲｢っ...！｣

考えとることを見透かされた気がして必要以上に驚いた私に対して、平手ちゃんはケラケラと笑う。

平手｢最近めっちゃわたしのこと見てない？｣

倉咲｢あぁ、そうかも。ごめん｣

平手｢全然良いけど、何かあったの？｣

倉咲｢ううん。何も無いよ。｣

平手ちゃんこそ、あの日から元気無いけど大丈夫？

なんて、言ってから後悔した。

一瞬歪んだ表情に何も言えなくなったから。

慣れないことはするべきやない。

平手｢...やっぱ、わかる？｣

倉咲｢うん｣

それ以外になんと答えろと言うんや。

平手｢今日、部屋来てよ。女子会しよ？｣

私なんか何も出来ひんよ、

その言葉をなんとか飲み込む。

倉咲｢...うん｣

菅井ちゃんも茜ちゃんも、そんな心配そうにしてこっち見んといて。