麻貴ちゃんだから、 (ページ23)

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ルームシェアページ23

｢優勝は.................3時のヒロイン！｣

あの夢みたいな日から約半年。

麻貴ちゃんと私はルームシェアを始めた。

というか、麻貴ちゃんが引っ越した家に私が転がり込んだ。

A ｢なぁ、ほんまにええの？｣

麻貴｢逆になんであかんねん｣(笑)

A ｢やって...｣

麻貴ちゃんが私と一緒に住むメリットなんか無いやん。

その言葉をどうにか飲み込む。

ネガティブすぎることはあんま言うたらあかん。

麻貴｢私が一緒に居たいだけなんやからAはなんもせんでええねんて｣

そう言って麻貴ちゃんは、いつものように私の頭を撫でた。

家賃も光熱費も麻貴ちゃん負担。

家事は気付いた方から。

麻貴ちゃんはそう言ったけど、さすがにこれやと私はヒモ同然。

家事はちゃんとやらな。

麻貴｢でも、一つだけ約束してや｣

A ｢約束？｣

麻貴｢うん。
絶対に1人で溜め込まんこと。こんだけ近くに居(お)るんやからちゃんと相談してや？｣

この一言で麻貴ちゃんの考えとることが全てわかった気ぃする。

心配させとったんやろな...。

最近、ライブや収録を欠席することが何度かあった。

握手会もいつもより多い休憩を挟みながらやった。

麻貴ちゃんの方が忙しいはずやのに気を遣わせて情けない。

でも、気にかけてくれたことが素直に嬉しい。

A ｢...わかった、約束する｣

麻貴｢ん、絶対やで？｣

A ｢麻貴ちゃんも、疲れた時とかもっと私のこと頼ってや？｣

麻貴ちゃんは、そう言った私にちょっと驚いたような顔をして微笑んで頷いた。

大丈夫。

私も麻貴ちゃんに頼ってもらえるくらい頑張るから。