くちづけ三十と五つ ページ40
織田作と会った三日後の朝──
仮眠室のベットでパチリと目を覚ました
掛布をしていても温もることのない身体
元から白い手がさらに真っ白になっている
むくりと起き上がったときに、気づいた
貴「ぁ…………」
口元から垂れた赤いもの
そして、敷布を染め上げる赤色
(もう、限界……かしら)
覚悟を決めて、私はベットから滑りでた
────────
血液が漏れでないように、きつく包帯を巻く
其の上から白いシャツを着て、黒の上着を羽織り、太股の半分もない長さのタイトスカートを履く
そして、太ももまであるピンヒールブーツを履いて、黒のナイフホルダーを太股に付けた
薄手のナイフを装備する
最後に、黒のネクタイをすれば終わりだ
髪をすいて艶を出していると、ふと引き出しにある木箱に目が止まった
───此なんかどうだい?
───似合うぜ
木箱の中にある二つの紙箱
中には、髪飾りとブレスレットが入っている
太宰さんから貰ったのは髪飾り
蝶と花を象った繊細な銀細工
時折鋭く光を煌めかせるのは金剛石だろうか
儚く、綺麗な白銀の髪飾り
中也から貰ったのはブレスレット
銀の鎖がシャラリと綺麗な音をたてる
銀の鎖に時折混じるのは翠と蒼の鉱石
私の瞳と、同じ色
髪飾りで左のこめかみ辺りの髪を留め、ブレスレットを左手につける
そっと髪飾りを撫でてから
まだ薄暗い廊下へと、ドアを開けた
二つを貰った時に言われた言葉を思いだして、唇に笑みが浮かんだ
───此の髪飾りが銀色なのはね
───此の鎖が銀色なのはな
───君の
───手前ェの
『進んでいく道に優しく光を反射するように』
───だよ
───だ。恥ずかしいこと言わせんな
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澪(プロフ) - わぁ、前に読ませて頂いて(泣いた)忘れられなかった作品にまた出会えました!!この作品大好きです。 (2020年3月11日 6時) (レス) id: 001cac99b9 (このIDを非表示/違反報告)
KAZUKI(プロフ) - 電車で読んじゃいけないやつだった(泣) (2018年12月16日 13時) (レス) id: ccd6d3c3c5 (このIDを非表示/違反報告)
きー - 感動しました。もうボロ泣きです。ありがとうございます! (2017年12月13日 0時) (レス) id: ea7bbfad76 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - もう大号泣です。うわああああ(´;ω;`) 昔にも見たんですけど、やっぱりこの小説大好きです。他の作品も頑張って下さい。 (2017年7月28日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月華(プロフ) - 祀さん» 有難う御座います。こんなに感想を頂けれるなんて……!!!凄く嬉しいです。どんどん泣いてください。其れほどに入り込んで頂けれるなんてとても光栄です。有難う御座います。 (2017年5月6日 19時) (レス) id: 70f2eb3a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/01g/
作成日時:2017年1月1日 22時