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くちづけ二十と八つ ページ32

時は少し遡る

────────

芥川side


太「私を撃った男が拷問中?」

芥「はい。Aが連れ帰りました」

太「………珍しいな」

芥「え?」

太「いや、何でもない。よし、行こうか」


ひょいっと身軽にベットから立ち上がった太宰さん
呆気にとられている僕の目の前にまで詰め寄ってきた


太「彼女の拷問は勉強になるだろう。行くよ」


面白そうに唇の端を上げる太宰さん
気のせいだろうか
瞳に、哀しみの色を宿している気がするのは





コツリコツリと無機質な音が廊下に響く
暗い視界に時折映る色は、赤
ひたすら目の前の黒い外套に付いていけば、拷問室に続く扉が目の前に現れた
金属製の扉が、微かに開いている


太「不用心だね」


眉を潜めて扉に手をかけようとした太宰さん
しかし、部屋の中から聞こえてきた声に凍りつく


貴「……私は……もう一週間も保たないだろう、から」


ひゅっと息を呑む音が隣からした
太宰さんが、縁が切れそうなほど目を見開いている
遅れて僕も、言葉の意味を理解した
背中に冷たいものが落ちるような感覚



――――――――Aが、死ぬ?




出会ってから、初めて

Aの泣き声を聴いた













蒼月華より→←くちづけ二十と七つ



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(プロフ) - わぁ、前に読ませて頂いて(泣いた)忘れられなかった作品にまた出会えました!!この作品大好きです。 (2020年3月11日 6時) (レス) id: 001cac99b9 (このIDを非表示/違反報告)
KAZUKI(プロフ) - 電車で読んじゃいけないやつだった(泣) (2018年12月16日 13時) (レス) id: ccd6d3c3c5 (このIDを非表示/違反報告)
きー - 感動しました。もうボロ泣きです。ありがとうございます! (2017年12月13日 0時) (レス) id: ea7bbfad76 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - もう大号泣です。うわああああ(´;ω;`) 昔にも見たんですけど、やっぱりこの小説大好きです。他の作品も頑張って下さい。 (2017年7月28日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月華(プロフ) - 祀さん» 有難う御座います。こんなに感想を頂けれるなんて……!!!凄く嬉しいです。どんどん泣いてください。其れほどに入り込んで頂けれるなんてとても光栄です。有難う御座います。 (2017年5月6日 19時) (レス) id: 70f2eb3a84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼月華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/01g/  
作成日時:2017年1月1日 22時

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