くちづけ二十と二つ ページ26
踊るように、舞うように
滑らかな動きで次々と敵を倒していくAはまるで、何の感情もない、人形のようだった
薄手のナイフを閃かせ、蹴りを放ち、銃を構える
僕が二人始末する間に、Aは五人を始末していた
相手の顔に、焦りの感情が浮かぶ
畳み掛けようとした、その時
貴「っ……」
Aの足首に鎖が巻き付いている
其れに足をとられてAが体勢を崩した
其の一瞬の隙を逃さぬように、敵が一斉にAを襲う
芥「っ!?【羅生門】!!」
男「ぐっ……ぁ…」
血を吐いて絶命する男達
Aの服が赤く染まる
ゆらりとAが、死体の中から起き上がった
貴「有難う、芥川。危うく死ぬかと…」
そう言って、ポケットから携帯を取り出した
いつの間にか、敵は全滅している
僕は、Aが携帯を耳に当てる前に羅生門で貫いた
無機質な音をたてて、携帯が落ちる
貴「っ!?」
羅生門はAの服を縫いとめ、後ろの壁に拘束した
首を締めれば、苦悶の表情を浮かべるA
………表情がある……良かったと云うべきか。先程の表情のない此奴ならば、逆に僕が死んでいたかもしれぬが
先程の殺気など微塵も纏わないAを、睨み付ける
貴「な、にを───」
芥「何故、異能力を使わなかった」
静かな僕の声は、赤色の血液に満ちた此の場所に、溶け込んで消えた
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澪(プロフ) - わぁ、前に読ませて頂いて(泣いた)忘れられなかった作品にまた出会えました!!この作品大好きです。 (2020年3月11日 6時) (レス) id: 001cac99b9 (このIDを非表示/違反報告)
KAZUKI(プロフ) - 電車で読んじゃいけないやつだった(泣) (2018年12月16日 13時) (レス) id: ccd6d3c3c5 (このIDを非表示/違反報告)
きー - 感動しました。もうボロ泣きです。ありがとうございます! (2017年12月13日 0時) (レス) id: ea7bbfad76 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - もう大号泣です。うわああああ(´;ω;`) 昔にも見たんですけど、やっぱりこの小説大好きです。他の作品も頑張って下さい。 (2017年7月28日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月華(プロフ) - 祀さん» 有難う御座います。こんなに感想を頂けれるなんて……!!!凄く嬉しいです。どんどん泣いてください。其れほどに入り込んで頂けれるなんてとても光栄です。有難う御座います。 (2017年5月6日 19時) (レス) id: 70f2eb3a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/01g/
作成日時:2017年1月1日 22時