くちづけ十と一つ ページ12
中「これでいいか」
どさっと服がテーブル上に乗せられる
黒手袋は放り投げてきたので、慌てて受け止める
どっかと私の前の椅子に座って、中也は服を選び始めた
ちなみに私は、濡れたタオルで身体の汚れや血を拭っている
中「これ着てみろ」
貴「はーい」
服一式を渡されて、隣の部屋に着替えに行く
白いシャツに黒の上着
シャツには襟元とかに、シンプルな刺繍がしてあってセンスが良い
黒の上着は刺繍等はないが、良い生地なのは見ただけで分かった
ズボンは上着と同じく黒で、動きやすいよう少し伸縮性のある生地だ
…………高そうな服ね
貴「此れでどう？」
中「良いんじゃねぇか？ほら、手袋」
テーブル上に置いていた黒手袋を、着けて終わりだ
結構露出が抑えられてる
マスクでもすれば良いだろう
貴「ありがとう、中也」
中「嗚呼」
ドアノブに手を掛ければ、カチャリと軽い音をたてた
同時に後ろから腰に腕がまわる
少し掠れた声が耳元でした
中「勝手に、死ぬなよ」
貴「…………」
後ろを向こうとしても、ぎゅっと力を込められて身動きできない
涙を見られたくないのだろうか
(しまった……言わない方が良かったかしら。………相変わらず、涙脆くて、優しいわね)
後ろ手に頭を撫でて、振り向かずにドアを開ける
前へと進めばするりと腕が離れた
閉じたドアから、中也が壁伝いにずるずると座り込むのを感じながら
私は只、目を伏せて暗い廊下を進んでいった
、
、
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 894人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
澪(プロフ) - わぁ、前に読ませて頂いて(泣いた)忘れられなかった作品にまた出会えました！！この作品大好きです。 (2020年3月11日 6時) (
レス) id: 001cac99b9 (このIDを非表示/違反報告)
KAZUKI(プロフ) - 電車で読んじゃいけないやつだった（泣） (2018年12月16日 13時) (レス) id: ccd6d3c3c5 (このIDを非表示/違反報告)
きー - 感動しました。もうボロ泣きです。ありがとうございます！ (2017年12月13日 0時) (レス) id: ea7bbfad76 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - もう大号泣です。うわああああ(´；ω；｀) 昔にも見たんですけど、やっぱりこの小説大好きです。他の作品も頑張って下さい。 (2017年7月28日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月華(プロフ) - 祀さん» 有難う御座います。こんなに感想を頂けれるなんて……!!!凄く嬉しいです。どんどん泣いてください。其れほどに入り込んで頂けれるなんてとても光栄です。有難う御座います。 (2017年5月6日 19時) (レス) id: 70f2eb3a84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼月華 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/01g/
作成日時：2017年1月1日 22時
