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くちづけ十つ ページ11

中「新しい服?」

貴「うん」


きょとんとする中也に頷く
直後、中也が眉を潜めた


中「今前調節したばっかじゃねぇか」

貴「そうね」


説明するより楽なので首領に見せたときのように、上着を脱いで見せた
途端に顔色を変える中也



中「手前ェッどうしたっ、これ!?」

貴「ヘマした」

中「ヘマどころじゃねぇよ!!何で生きてられるんだよ!?」



首領に巻いてもらった包帯を、中也は撫でるようにして確認していた
その間に、攻撃を受けたときと異能力で時間軸をずらしたことについて話す
少なからずショックを受けている中也の頬を撫でた
微かに震えた声で中也が言葉を紡ぐ


中「太宰の野郎はしってんのかよ」

貴「ううん、知らない。知らせるつもりもない」

中「何でだよ」

貴「好きだから」


びくりと中也の肩が震える
悔しそうに顔を歪めていた
私に知られないようにしていたみたいだけれど
貴方の気持ちくらい、気づいてるわよ
応えられないけれど


貴「………太宰さんの異能力は、服越しには伝わらないから。だから、中也と同じ黒手袋着けたいな」

中「……分かったよ。用意してやる。ちょっと待ってろ」


そう言って、目元を隠すように中也は隣の部屋へと消えていった
ソファーへと脱力する
こんなにも中也に甘えて、………それなのに恋愛対象じゃない
そんな私は、嫌な女だろう
ふうっと何もない天井に向かって息をついた





















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(プロフ) - わぁ、前に読ませて頂いて(泣いた)忘れられなかった作品にまた出会えました!!この作品大好きです。 (2020年3月11日 6時) (レス) id: 001cac99b9 (このIDを非表示/違反報告)
KAZUKI(プロフ) - 電車で読んじゃいけないやつだった(泣) (2018年12月16日 13時) (レス) id: ccd6d3c3c5 (このIDを非表示/違反報告)
きー - 感動しました。もうボロ泣きです。ありがとうございます! (2017年12月13日 0時) (レス) id: ea7bbfad76 (このIDを非表示/違反報告)
Asora(プロフ) - もう大号泣です。うわああああ(´;ω;`) 昔にも見たんですけど、やっぱりこの小説大好きです。他の作品も頑張って下さい。 (2017年7月28日 22時) (レス) id: 32969ac174 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月華(プロフ) - 祀さん» 有難う御座います。こんなに感想を頂けれるなんて……!!!凄く嬉しいです。どんどん泣いてください。其れほどに入り込んで頂けれるなんてとても光栄です。有難う御座います。 (2017年5月6日 19時) (レス) id: 70f2eb3a84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼月華 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/01g/  
作成日時:2017年1月1日 22時

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