ぼっち・ざ・とりがー！ (ページ1)

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1話ページ1

「か〜くれんぼする人この指とまれ〜」

1人の男の子が言うと、皆その子の所に集まっていく。

でも、私なんかがあの指にとまっていいのか。

そう悩んでいるうちに乗り遅れて、気づいたらひとりぼっちな子。

「どうぞ〜」

遠足の時に先生とお弁当のおかずを交換していたひとりぼっちな子。

「ただいま」

部活も入らず放課後は即帰宅。

スマホに届くのは親からのメッセージか、クーポンのお知らせだけ。

それが私。

後藤A、中学1年生。

たま〜に思う。

このままでいいんだろうかって。

でも私話す前に“あっ”って言っちゃうし、目合わすのも苦手だし。

“THE 陰キャ”のような日々が身の丈に合って…

「これ見てる？」

ソファに寝転がっていると父がリモコンを取りながら聞いてきた。

「ううん」

「私話すの苦手だし人と目を合わせるのも苦手だけど、それでも誰かを助けられるような人間になってみせます。」

テレビから流れ込んできた女の人が言った。

ボーダー。

気がついたら私は立っていた。

「おっ、どうした？」

「お、お父さん。私ボーダーに入りたい」

「えぇ！？」

決めた！私ボーダーはいる！

で、誰かと隊組んで…

それでテレビに出て、みんなからちやほやされるんだ！

そう思って私はボーダーに入った。