毒舌度２９０％ ページ16
『――特別秀でたモノなんてないんだから』
その言葉に、僕は何て返せば良いのか迷ってしまった。
秀でたモノがない？ 違うだろ。お前の場合はあるのに全て潰してるんだろ。伸ばす努力をせずに全部中途半端に、半殺しにしてるんだよ。
勉学、運動、会話力……様々な才能を持っているAに、僕は絶対勝てない。
Aは常に僕の目の前にいた。そして、僕を……周りを置いてきたと分かった瞬間、その場に立ち止まり、皆が先に進むまで、自分を追い越すまでその場にいる。周りが見えなくなったらまた歩き出す。……今度は、誰にも追いつかない様にゆっくりと。……やがて、勝手に消えてしまう。
逆に皆が先に行って、大きな困難で止まってしまうと、追いついたAが先陣切って先走る。……いわゆる自己犠牲。それに伴い、皆に心配かけないようにと笑顔を残していく。
人生をそんな風に繰り返していると、Aの才能は潰れてしまう。それどころか、本人は自分の才能、人生の繰り返し方に全く気付かない。事実、今までも殆ど無意識にだっただろう。色んなモノを潰して来ただろう。だから自分は足手まといだと考えたりもしていたらしい。
……E組でもそうなってしまうと思ってた。だから、もしも、また無理してしそうであれば、早めに引き抜こうと思ったんだが……。
『……学秀？ 話聞いてる？』
「……あぁ」
目の前でなら良いけど！ なんて笑う彼女を見ると何も言えなくなる。……お前が元気に笑えるならば、それで良い。僕は、もう少し様子を見ている事にしよう。
それでね！ と満面の笑みで僕の顔を覗き込む彼女の頭を数回叩き、そろそろ帰ると告げる。もうそんな時間か。と言いながら、Aはゆっくりと立ち上がった。
「……邪魔したな」
『んーん！ 久々に長々と話せて楽しかったし、何より宿題終わったからね！』
「だからと言って勉強をサボるなよ？」
『何でバレてんの』
はいはいやりますよー。何て生意気言うAに無理だけはするなよ。と告げ、僕は帰途に着いた。
……楽しかった……か。単純と言うか楽観的と言うか……まぁ僕も楽しかったから良しとするか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
忍びのたまごとアサシンと 【忍たま×暗殺教室】
転生したら100億の男の妹で、月も破壊されていた件について ９【暗殺教室】【名探...
【暗殺教室】不良少女、暗殺教室にて。3
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - ルラさん» ありがとうございます！ いつ惚れてくれて構いませんよ？？？← (2018年9月7日 19時) (
レス) id: eeb8e01c6f (このIDを非表示/違反報告)
ルラ - 兵藤さんかっこいい！ マジで好き (2018年9月7日 18時) (レス) id: e6ca85b3e9 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 絢香さん» ツンデレちゃん事真姫ちゃんですね！作者の推しです← (2018年1月2日 21時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
絢香 - 夢主ちゃんとラブライブ!の推しが同じだあぁ！←で？ (2018年1月2日 18時) (レス) id: b666019ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ナノハ(プロフ) - うおおぉぉぉ三卍 °д°)卍早く読みてぇ!!葵様頑張ってくださぁあい!!ずっと待ってまぁあす!! (2017年8月10日 7時) (レス) id: f8c50b7c64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵
| 作者ホームページ：https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時：2015年11月23日 17時
