毒舌度２６４％ ページ35
・
寺坂の言葉で正気が戻ってくる。……そっか。私、更に迷惑掛けちゃうんだ……。
「寺坂君の言う通りですAさん。その男を殺しても何の価値もないし、逆上しても不利になるだけ。
そもそも彼に治療薬に関する知識など無い。下にいた毒使いの男に聞きましょう。こんな男は気絶程度で十分です」
殺せんせーに諭されると、鷹岡が水を差すな、なんて言い始める。
「本気で殺しに来させなきゃ意味ねぇんだ。このチビの本気の殺意を屈辱的に返り討ちにして、初めて俺の恥は消しされる」
「Aさん、寺坂君のスタンガンを拾いなさい。その男の命と先生の命。その男の言葉と寺坂君の言葉。それぞれどちらに価値があるのか考えるんです。頭の良い君ならもう答えは分かってるはずですよ」
鷹岡を遮る殺せんせー。私は手元のナイフを何度も握りなおす。鷹岡をチラッと睨み、皆の方に視線を向けると、皆が心配そうに私を見上げていた。カルマや渚には、“やめろ”って目で言われてる気がする。そんな中、視界の端で寺坂が倒れた。
吉田と木村君が寺坂に駆け寄る。
「うるせぇ……。見るならあっちだ」
震える指で私を指す。
「やれA……死なねえ範囲でぶっ殺せ……」
『…………おう』
寺坂の震える指先を最後に、私は再び鷹岡に向き直った。何度か深呼吸をし、相手を冷静に見定める。
喧嘩の前に何時もやってるでしょ。こっちが逆上するんじゃないの。相手を逆上させて、動きを単調化させるの。
足元のスタンガンを拾い、ズボンのベルトに挟む。袖を肘まで捲り、ナイフを持ち直した。……これで準備完了。武器が二つあるのは有難い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 288人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ - 面白い！！！！！！！！！ (2017年6月28日 17時) (
レス) id: f50bbbd9e0 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 面白かったです！あと、パスコード教えてください！！ (2017年4月5日 7時) (レス) id: dbce99b8ad (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - サヤさん» ありがと！ 今回可愛い夢主ちゃんいたかな……？ なんで私！？ヤダ。私は愛でられるより愛でたい派 (2017年3月18日 16時) (レス) id: 014c775145 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ - 訂正おめでとう！も､夢主ちゃんが可愛すぎるよ!!メデて良い?!メデて良い?!あおちゃんをメデて良い?! (2017年3月18日 16時) (レス) id: fd9cf3b3b1 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - いえいえ。大丈夫です( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ (2016年5月22日 21時) (レス) id: c9f2761103 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵
| 作者ホームページ：https://twitter.com/uranai_aoi/status/929368202894721025
作成日時：2015年11月7日 21時
