【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!part5

毒舌度１７８％ ページ9

・





　Aが寝たからちょっとは気休め出来るかな……と思った俺が間違いだった。





『んぅ……っはぁ……』


　先程から苦しそうに唸り、何度も態勢を変えるA。

　それほど辛い事は分かってる。分かってるけど…………無防備過ぎません？





　赤く染まってる頬、半開きの唇、乱れてる髪……それに伴い服や布団までもところどころ捲れてきてる。オマケに部屋に2人っきりで、彼女がベッドの上。

　……なにこれ、試されてる？ 誘われてる？





　勿論、病人だし、Aの事だからそんな知識が皆無な事は分かってる。分かってるけど……グッとくる何かがある。本気でヤバい。このままガン見してたら襲いかねない。





　する事ないし、心配だしって事でAの顔見てたけど……これは俺がヤバい。ホント、何してよう……。





『んぁ……カル、マ……』


　お願いします。本当にやめて下さい。もうこれ以上我慢出来ないんですけど。





　布団からAが手を出してるのが見え、俺は取り敢えずその手を握る。思ったより暑くて、Aが風邪引いてる事を改めて実感。

　……それでも、分かっていても我慢出来ないものってあるわけでして。





「……キスだけ許して下さい」


　誰に言ったワケでもないが、俺はそう呟き、Aの顔に掛かってる髪を避けた。

　口にしたかったけど、流石にそれはマズいと思い、赤い頬に軽く唇を押し付ける。





『んぅ……？』


　それだけなのにあっさりと起きてしまったA。……この際どうにでもなりやがれ。

毒舌度１７９％→←毒舌度１７７％

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す