番外編9 ページ25
・
「……何してるんですか？」
俺は分かりきってる事をさも当然の様に聞く。一瞬目を見開いた先輩方は、関係ないでしょ!? とあっさり切り返されてしまう。桜色の彼女に目を向けると、白い頬が若干赤く腫れていた。それにも関わらず、彼女はヘラっと笑うだけ。
その胡散臭い作り笑いがどうにも気に食わず、俺は先輩に向き直った。
「関係ない……ね……」
「貴方が誰だか知らないけど……これは演劇部の問題よ」
先程から良く喋る先輩にッはんっと鼻で笑い、俺はスマホのディスプレイを彼女達に向け嘲笑う。
「賢い先輩ならなんだか分かるよねぇ？」
ずっと撮っていた動画には、倉庫内での様子がバッチリと。例え暗くても音声は充分に入ってる筈だ。俺がニヤニヤと笑みを浮かべると、忌々しそうに舌打ちをされる。それに構わず、俺は要求を告げた。
「……彼女から手を引いてよ。て言うか、もう二度とこんな事しないって誓ってくれないんなら……匿名で、学校に送りつけるよ？」
「……ッ！ タチ悪いわね……」
「何とでも。ほら、サッサと散ってよ」
口元を引き締め、先輩を見下ろす様に睨むと、憎々し気に俺を睨み、先輩は撤退した。
それを確認し、俺は彼女の元に歩み、大丈夫？ と声を掛ける。彼女は平気。とあの嘘くさい作り笑いを浮かべる。
「……何、その笑顔……」
『え？』
ボソッと言ったのが彼女にも聞こえたのか、目を瞬き首を傾げて聞き返すが、俺はそれに答えず、彼女の目を見る。
「……何で、言い返さなかったの？」
『は？』
「やろうと思えば、言えたでしょ？」
『……。』
何でそんな事分かるんだよ。と言いたげな彼女。……ひょっとして、俺の事覚えてない……？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 立花 花泣さん» コメントありがとうございます！わざわざ一気読みとは……！ そう言って貰え嬉しく思います！次も早めに効果出来るように頑張ります！！ (2017年2月21日 18時) (
レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
立花 花泣 - すっごくすっごくおもしろいです！part5まで一気読みしてしまいましたｗカルマくんと夢主ちゃんのやりとりも大好きです！part6の修正が終わるも楽しみに待っています、これからもがんばって下さい！ (2017年2月21日 17時) (レス) id: a10039e702 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 音色さん» 閲覧、感想ありがとうございます！そう言って貰えて光栄です。part6以降ですが、只今訂正中の為公開が出来ません。なるべく急ぎますので、お待ち頂けると幸いです。説明不足で申し訳ございません。 (2017年1月30日 20時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
音色 - 最近いっきよみしてますっ！とっても面白いでっす！ところでお願いがあるんですけどpart6のパスワードって何か教えてくれませんか？すみません。お願いします！ (2017年1月30日 16時) (レス) id: 1114661b39 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - サヤさん» ありがとう！前原はイケメンなんだよ、多分きっと(( (2017年1月29日 23時) (レス) id: 014c775145 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵
| 作成日時：2015年10月26日 18時
