番外編6 ページ22
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思ったより惹き付けられた俺は、その後も色んな話を彼女に持ちかける。その度に豊富なリアクションをする彼女。表情がコロコロ変わるのを見ていて、彼女の才能を実感する。
あまりにも楽しいモノだから、俺達は……いや、俺は入学式の存在を忘れ、話に没頭。
そう言えば自己紹介的なのしてないじゃん。と思い出した時、終業を告げるチャイムがなった。どうやら1時間近く話していたらしい。
チャイムを聞き、彼女は欠伸しながら立ち上がる。
『あーぁ……鳴っちゃった……。クラスに行かなきゃ……。じゃーね赤髪くん。お話できて楽しかったよ。またね』
俺の返事を聞かずして、彼女は一番最初に出てくるであろうA組の行列の元に駆け寄った。
………………名前、聞きたかったな……。でもA組って事は分かったから、行けば会えるか?
そんな事を考えながら俺も腰を浮かせ、のんびりと自分のクラスに向かった。
ーー…
その入学式から何日、何ヶ月、と日にちばかりが過ぎて行った。
残念な事に、俺は未だにA組の彼女と会えていない。
度々A組の教室には行くのだが、行き違い、サボり、部活……等と見事に会えないのだ。お陰で名前なんて知る機会も無かった。
収穫と言えば、数日前の文化祭のステージにて、演劇部の公演で、彼女がヒロインをやってる所を偶然見かけた位だ。
予想通り、彼女の魅力と言うか……才能は桁違いで、ダントツで目立っていた。俺は勿論、観客の視線はクギ付け。流石だな。なんて思ったり。
容姿と部活を頼りに、俺は今日の放課後もA組の教室を覗きに行く。名前は……多分「兵藤さん」だろうけど、噂だから当てに出来ない為、人に聞くことも出来ない。
廊下から教室を覗くが、あの子らしき姿は見えない。帰ったのかな? と考え直すが、よく考えたら演劇部だった。演劇部は……体育館で活動してるって聞いた事がある。
……もしかすると、会える? なんて淡い期待を抱きながら、俺は急ぎ足で体育館に向かう。
自分でも、何でここまで執着するのか分かんない。分かんないけど……また彼女と話したいんだ。
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葵(プロフ) - 立花 花泣さん» コメントありがとうございます!わざわざ一気読みとは……! そう言って貰え嬉しく思います!次も早めに効果出来るように頑張ります!! (2017年2月21日 18時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
立花 花泣 - すっごくすっごくおもしろいです!part5まで一気読みしてしまいましたwカルマくんと夢主ちゃんのやりとりも大好きです!part6の修正が終わるも楽しみに待っています、これからもがんばって下さい! (2017年2月21日 17時) (レス) id: a10039e702 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 音色さん» 閲覧、感想ありがとうございます!そう言って貰えて光栄です。part6以降ですが、只今訂正中の為公開が出来ません。なるべく急ぎますので、お待ち頂けると幸いです。説明不足で申し訳ございません。 (2017年1月30日 20時) (レス) id: 32c38c1366 (このIDを非表示/違反報告)
音色 - 最近いっきよみしてますっ!とっても面白いでっす!ところでお願いがあるんですけどpart6のパスワードって何か教えてくれませんか?すみません。お願いします! (2017年1月30日 16時) (レス) id: 1114661b39 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - サヤさん» ありがとう!前原はイケメンなんだよ、多分きっと(( (2017年1月29日 23時) (レス) id: 014c775145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2015年10月26日 18時