青春しよ？【文スト】【短編集】 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:16,615 hit

泣かないで【中島敦】リクページ7

院長先生と敦君の話が感動すぎて一寸影響してしまう私。←
本当に良い話だった…(泣

＿＿＿＿＿＿＿

真夜中の横浜。
其れは、案外好きかもしれない。

暗いのが苦手な私でも、あの日から別になんとも思わない。
あれ以上の、怖い事なんて。無いから。

するとふと、肩をポンっと叩かれる。

A｢っ……！｣

急すぎて、ビクッと震えてしまう。
するとすぐ、優しい声が聴こえた。

敦｢あ、御免、吃驚させちゃって｣

A｢敦君…なんで…｣

敦｢今日、ずっと元気が無さそうだったし心配で。｣

…そんな、貴方の優しさが怖くてたまらないなんて。最低。

A｢っ………そ、っか｣

敦｢え、あ、御免、僕なんかが、えっと……｣

なんて云うか、もう止まらなくて。急に、涙が溢れ出して止まらなくて。困らせる。

A｢ごめ、……っ｣

迷惑をかけるだけ、困らせるだけ、だから。ほっといて。そう伝えるように走り出す。

敦｢っ…待って！｣

以外にも力のある其の手に掴まれ、立ち止まる。
ほっといて…。

敦｢何も、云わなくて善いから。泣いて善いよ｣

A｢な、んで…ほっといてよ、困らせるだけだもん、そんなの私が厭なの、だから…｣

泣きながら、涙を零しながら懸命に君に訴える。でも其の手を離すことは無く、逆に力が強まるばかり。

A｢っん………っ｣

私を引き寄せ、キスを落とした。

A｢っ…な、何して……っん、｣

敦｢悲しい時くらい、素直になれば善いのに。僕が居るでしょ？｣

そう云って微笑む敦君は、何処か少し大人びていた。
…恰好良く、なったなぁ。

A｢っ…う、…ぅぅ……っ｣

私は泣く。敦君の腕の中で。彼に頭を撫でられ乍ら。

しばらく泣いてスッキリした。こんなに泣いたのは、何時ぶりかな。

A｢敦君、同じ齢だと思えないくらい大人になったね｣

敦｢そうかな、Aもきっともう大人になったよ｣

A｢…すき。｣

敦｢っへ？！待って、今なんて｣

A｢なにもー！｣

敦｢へへ、…僕も好きだよ。｣

A｢やっぱりちゃんと聴こえてた！！｣

敦｢えへへ、……辛い時は、僕に頼ってよ。Aが辛そうな顔してるのなんて、見てる僕の方が辛いから。｣

A｢自分の事じゃ無いのに、変なの｣

敦｢自分の事だと思えるくらい、好きだからだよ｣

A｢ば、莫迦！…私も、だよ。｣

＿＿＿＿＿

ウミソラさんリクありがとうございました！