清水潔子にぶたれない (ページ10)

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勇気ページ10

東峰は、今私の目の前にいる1年2人組の方を向いている。

なんか東峰、見ないうちになんかまたおっさん臭増えてない？

ヒゲは相変わらずそうだけど。

私は3年2組の前の廊下の壁に寄りかかってこの4人の会話を聞くことにした。

菅原「お前ら、こんなとこで何してんの」

東峰の後ろにいた菅原はひょこっと体を出し1年2人組に話しかけた。

？「あっえっと」

おそらくこの1年2人組は今年入ったバレー部の1年生だとおもう。

菅原「この前入った1年の日向と影山」

その証拠に菅原が東峰に説明していた。

オレンジ頭が日向くん。背が高くて目つきが悪いのが影山くん。

東峰が1年生に挨拶をすれば元気よく返す2人。

東峰「今年何人？」

私が今1番気になってることを聞いてくれた。
ヒゲチョコのくせにやるじゃんって思ったのは秘密で笑

菅原「4人
多くはないけど皆有望株だよ」

4人と聞いてまあ確かに多くはないなと思った。
でも菅原のいう皆有望株なら最高じゃん、とおもう反面、教えがいがあるなと思った。

東峰「そうかあ
がんばれよ」

オレンジ頭の日向くんを軽くポンと叩く東峰に、まだ部活戻ってないんだって思った。
まあ私も人のこと言えないけど、、。

東峰のがんばれよって言葉に日向くんは顔を上げて話した。

日向「えっ
一緒にがんばらないんですかっ？」

様当然のように言う日向くんに鳥肌が立った。

日向「おれエースになりたいから
本物のエースナマで見たいです！」

ぱあっと輝く日向くんの将来がとても楽しみになった。

この身長でエースとは、なんてかっこいいことを言う子なんだろう。
ノヤみたいだな、と思った。

こんなこと言われたら戻りたくなっちゃうんじゃない？と思い東峰を見るとそうではないみたいで、びっくりした顔をしていた。

東峰「………悪い
おれはエースじゃないよ」

この言葉を聞いて私はムカっとした。

エースじゃないってなんなの？
今までの自分だったら空気読んでなんも言わなかったと思う。
でも今までとは違う。

ほんの少しの勇気でいい。

「まって。」

相手が聞いてくれなくていい。

「エースじゃないってなに？」

相手の心に響かなくなっていい。

「今までエースだって思って信じてた仲間はどうするの？」

前みたいに自分の気持ちを言わないことはもうしたくない。

「少なくともお前を信じてトス上げてくれたり、ボールを繋げてた奴らの思いはどうなるの？」

確実に変われる方法を探せ。