清水潔子にぶたれない (ページ50)

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澤村「神無も戻って来てこれで全員揃った。」

私を見て嬉しそうに笑う澤村にこっちまで嬉しくなった。

何もしようとしなかったあの時とは変わる。

後悔はしたくない

澤村「円陣組むぞ！！」

澤村の声で部員達が丸く集まる。

思ったことがあったら遠慮しないで言うようにする
それに、アドバイスだって言ってみせる。

だって、今度こそは皆を信じてみたいから。

潔子「A、こっち」

丸く集まる部員を他所に、潔子は私の手を引いて顧問の人と思われる先生の隣に立った。

潔子「この人は顧問の武田先生。Aも知ってるよね？」

潔子は現代文の先生だよ、と付け足し、その武田先生はよろしくね、と和やかに笑った。

あー、どっかでみたことあるなって思ったらこの学校の現文の先生か。

すごい優しそうだけど怒ったら多分怖いタイプだ。

「よ、よろしくお願いします。」

先生によろしく、と言われるのは高校に入って初めてと言ってもいいぐらいだ。

この先生の瞳は真っ直ぐでとても綺麗。
多分何事にも一生懸命全力で取り組んでる人だと思う。

横にいる武田先生を見れば、丸く集まっている部員達を見てとても嬉しそうにしている。

烏野高校男子バレー部にこんなに良い顧問が入ってくれて良かった。

恐らくコーチが出来たのも武田先生のお陰なんじゃないかと思う。

私も武田先生達に負けないように、私なりのやり方で頑張るんだ

澤村「烏野ー！」

そして辛い時は一人で抱え込むんじゃなくて、皆を頼って乗り越える。

澤村「ファイッ」

騙すようなことはしたくないから。

部員「オース！！！」

今度は楽しかった、バレーは最高だって思えるようになりたい。

「これから、よろしくお願いしますっ！！」

いや、最高だって思えるようにする。

皆と笑い合いたい
逃げずに立ち向かいたい

私にできないことはないって証明してみせる。

_________バシンッ

拳に力を入れ、これからのことを想像してワクワクしていたら突然、背中に衝撃が走った。

「っ！？」

急のことで重力に逆えず、身体が前に傾いた。

ビックリして急いで後ろを振り向くと、キラキラと輝く沢山の笑顔が私を迎えた。

嗚呼。

やっぱり私の居場所は烏野高校男子バレー部(ここ)だ。

今はバレーが出来なくても、私はここで皆をサポートする。

そして

皆を信じて全国へ行く