清水潔子にぶたれない (ページ35)

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かっこよさページ35

影山「お前はエースじゃないけど！！
そのスピードとバネと俺のトスがあれば、どんなブロックとだって勝負できる！！！」

気付けば点は決まっていた。
そう、日向くんはブロックを欺(あざむ)いたのだ。

影山「エースが打ち抜いた1点も、お前が躱して決めた1点も、”同じ1点だ”」

正直、この2人の変人速攻は止められると思っていた。
いくらバネがあったってブロックに捕まってしまえば無意味だ。

でも、日向くんにはスピードと言う武器があったのだ。

影山「”エース”って冠がついてなくても、お前は誰よりも沢山の得点を叩き出して！だからそこ敵はお前をマークして！他のスパイカーはお前の囮のお陰で自由になる！エースもだ！！！」

日向くんの最大の武器がなんなのかは分からなかったが、これまでの会話を聞いててハッキリした。

日向くんは”囮”

確かに囮はエースに比べたらなんかカッコいいって感じはしないかもしれない。

でもそれは言葉の響きの問題であって、実際はそんなことはない。

田中も言ってるように囮があるのと無いのだと、スパイカーの決定率が全く違う。

影山「それでもお前は、今の自分の役割がカッコ悪いと思うのか！！！」

それに囮の楽しいところは、背の高いブロッカーたちが自分の動きにまんまと騙されて引っかかる、それが最高に気持ち良い。

日向「……思わない」
影山「あ？」

日向「思わない!!!」

そんな囮をカッコ悪いと思うはずがない。

影山「よし！！！」

ギスギスした関係はいつの間にか無くなった。

東峰「今の一発凄かった」

日向「！！あざすっ」

その代わりいつもに増して、日向くんと影山くんはやる気に満ち溢れていた。

影山「練習中断さしてスミマセンでした！！」

勢い良く頭を下げる影山くんに驚きながら澤村は大丈夫であることを伝えた。

影山「試合の続き______」

日影「「お願いします！！」」

カッコいい、カッコ悪い、そう言うのが全て吹っ切れた、そんなような顔を日向くんはしていた。