清水潔子にぶたれない (ページ4)

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進め　～清水～ページ4

それから偽りの気持ちばかり言って、部員を信じようとしなかったから、あの春の県民大会でなにもできなかった、と話してくれた。

Aが、できなかったのではなくしようとしなかった、と言っていた。

それを聞いて、こんなに辛いことがあっていいのかと思った。
どうしてAにだけこんなに辛いことばかり起こってしまうんだろう、

私にもその辛さを分けてくれればいいのにってすごく思う。

そして、何のために部活をしているのか分からなくなった、と言った。

Aが部活に来なくなったのはそう言う理由があったんだ、とわかった。

そんなの来なくなるに決まってる。
私がそうだったら、辛くて部活になんて絶対行けないと思うし、話すことすらできてないと思う。

Aは本当に自分のことを責めている。
責めないで欲しいのに、Aだけが悪かったんじゃない、周りの私たちも悪いところは絶対にある。だからそんなに責めないでっっ

Aは仕方ない、これまでの自分が招いた結果だから、と言うかのような表情だった。

Aは散々私たちを甘えさせてくれるけど、Aが甘えようとしたことは全くない。

今だって甘えようとなんてしてくれない。
自分で抱え込んでどう解決するかを考えているように見える。

Aは泣いてないけどとても悲しそうな顔をしている。

泣きたいけど泣けないんだ。

泣きたいのに泣けないのはどれほど辛いことなんだろう。

でも、必要性がないなんて言わないでよっ

少なくとも私はAのこと必要だって思ってる。それと偽りで築いてきたとか言ってたけど、必要性がないのとは全く関係ないじゃないっ

そう考えると話を聞いてて思ったことがどんどんこみ上げてきた。

『バチンッ』

Aをぶちたくてぶってるんじゃない。

でも、必要性とか関係ないじゃない。
私はAのことが必要なのに。
自分で勝手に決めつけて、自分でそうだと思い込んでっ…

潔子「偽りの言葉とかどうでもいいっ、信頼できてなかったとかどうでもいいっ、アドバイスできなかったとかどうでもいいっ、しようとしなかったとかどうでもいいっ！！
もう終わったこと、過ぎたことなのっっ！！」

話をしてくれたことがもう十分凄いことじゃない。
けど内容を聞いてるとちっとも前に進もうとしてない。

ずっとずっと過去に縛られて、自分ばっかり責めて、
今こそ前に進むとかじゃないのっ…？