清水潔子にぶたれない (ページ28)

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速攻ページ28

日向の言葉で練習試合は再開したのだが

西谷「全然ジャンプできてないんじゃないですかっ！？一ヶ月もサボるからっっ」

ノヤの元気いっぱいなお説教が東峰に降り注ぐ。

東峰「うん…スミマセン…」

頭に手を当てて焦るように謝る東峰を見てどっちが先輩なのかよくわからなくなった。

背後でキビシーな～、と笑っている菅原に対して私は、東峰のヘナチョコ加減も相変わらずだけどなって思った。

思わず笑いそうになったが今は練習試合に集中しないと、と思い再び相手コートに目を向けた。

目を向ければ澤村の嬉しそうな笑顔があの3人に向けられていた。

それに続けて田中の顔も、縁下の顔も嬉しそうに笑っていた。

田中「日向カブってんじゃねーよ！！せっかくの俺のカッコイイ台詞がぐだぐだだよバカヤローッ」

何か澤村たち楽しそうに話してんな、と思いながら見てたら急に田中が大きな声で日向くんに叫んでいるのを見て驚いた。

でも内容が内容だったため、少し笑ってしまったのは許してほしい。

あぁ。あの時はどうなるかと思ったけど今の皆を見る限り大丈夫そう。
まあ私が言えた事じゃ無いんだけどチーム感はとても良さそうに見えた。

『ピーッ』

ノヤたちのいるチームがサーブになった。

今のところ見てわかったことは皆まだまだレシーブ力が足りていない。
今だって縁下の上げたレシーブはイマイチ安定していなくて上手くセッターのいる位置に返っていない。

まあレシーブは難しいし、すぐに出来るようになるものではない。

これはレシーブ練習がもっと必要だな、と考えていると日向くんと影山くんが攻撃体制に入った。

影山くんは相当バレーが上手みたいだった。
上手くセッターのいる位置に球が返っていないにもかかわらず、ボールの落下点の見極めがとても速く迷いを感じない一歩を出していた。

『ドパッ』

さて、日向くんにどんなボールを上げるのか、と思っていたのも束の間。

田中「ナーイス、日向影山！」

気付いたらボールはノヤのいるチームに落ちていた。

は？今一瞬でボールがノヤのいるコートに落ちた

日向くんにボールを上げるだろうって事の予想はできていた。でも、そこからが一瞬だった。

日向くんは一瞬で相手のブロックを躱して気付いたら反対側に移動していた。

影山くんもそれに動揺する事は一切なくて、様当然かのように一切ぶれない綺麗なトスを日向くんに上げた。

そしてそのトスを日向くんは”目を瞑って”打った。