清水潔子にぶたれない (ページ21)

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正直ページ21

正直言えばまだ怖い。
バレー部に戻るのはまだ少しだけ怖い。

自分がビビってるのなんて今更かもしれない。
でも、怖いものは怖い。

自分が撒いたタネだから自分で拾わないと意味がないってのはわかってる。

小夜「おっ！おっはよ～A！今週は朝からいる日多いじゃん笑」

こんな能天気に私に話しかける小夜が心底羨ましい。
でも小夜にも小夜なりの悩みってのはあるもんだからそんなこと言えないけど。

「うるせえな！朝から能天気で！くっそ羨ましいわ！」

ボケェ！と付け足して睨めばひぃ、いつもに増して怖いねぇ、と言ってくる。

ごめん小夜、今のは完全に八つ当たりしちゃった。

潔子には戻る理由は十分だよ、と言われてるけど、ノヤに許してもらえるか不安でならない。

そもそも潔子に許してもらえたのが奇跡に等しいのに、ノヤにまで許してもらおうなんて、甘ったるすぎんだよ！！

椅子を引いて自分の席に座り、机に顔を突っ伏してうわぁぁぁ、と必死に部活のことについて考えた。

『キーンカーンカーンコーン』

チャイムの音でハッと目が覚め椅子から立ち上がった。

周りを見渡せば皆席について友達と弁当を食べたり、話をしたりしていた。

小夜「ちょっとA～？お前寝すぎだろ笑」

ケラケラ笑いながら弁当を持って私に近づいてくる小夜に、考えていたらいつの間にか寝ちゃってたんだと気付かされた。

「…うわっ！まって、私寝てる暇ないんだった！！潔子どこいるか知らない！？」

そうだ。私は一刻も早く潔子と話をしなければいけない。
ていうか今潔子に、今頃かもしれないけどバレー部に戻るのまだ少し怖いんだ、って言うことを伝えないと私は絶対ずっとバレー部に戻れないかもしれない。

自分で言うのは嫌だけど、相当ビビリだし、ただ力が強くて喧嘩が強いだけ。
精神はボロクソ弱い。
だから今不安ごとを全て言っとかないと、チキって戻れない気がする。

小夜「あー、清水ならさっき先生に呼ばれて進路相談行ったけど、どうかしt」
「まじかよ！ありがと！！」

元から丸くて大きい目を更にまんまるに見開いて驚く小夜の言葉を途中まで聞き、お礼を言って教室を出た。

後ろからちょっ！A！？、と私を叫ぶ声が聞こえるけど、申し訳ないけど今は聞こえなかったふりをして廊下に飛び出た。
前も小夜のこと無視しちゃった気がするけど、許して！！今度チョコレート奢るから、と心の中で謝って職員室へ行くために3年1組側の方を向いた。