清水潔子にぶたれない (ページ13)

今日:10 hit、昨日:26 hit、合計:114,621 hit

知ページ13

バレーはチームプレーだ。
1人で点を稼げるわけがない。
1人で全てできるわけもない。
1人で抱え込んでたら勝てるものも勝てない。

まあ私が言えたもんじゃないけど。

それから菅原と見つめあっていると、さっきからずっと感じている視線の方をチラリとみた。

「さっきからなにみてんの？喧嘩売ってんの？」

背が高くて目つきの悪い奴、確か影山くんと言う子に滅茶苦茶ガン見されていた。

喧嘩をふっかけられてんのかと思い、いつもの癖で睨みをきかせて言った。

影山「ち、違いますっ！
俺、神無Aって人を探してるんですけど…
神無って苗字ですよね？」

慌てて否定する影山くんに、睨んでしまったことを少し申し訳なく思う。

てかなんで私のこと探してんの！？
まさか私がリベロだったこと知ってたりするの…？

でも結構前のことだよ？みんなもう忘れてるもんだよ。なのになんで影山くんは私の名前を覚えてるの？そしてなんで探してるの？

「私が神無Aだけど？」

疑惑を抱きながら自分の名前を教えると影山くんの目は一瞬にして大きく開かれた。

影山「っ！？あの悪魔って言われてたリベロの方ですよね！？」

そこまで詳しく覚えてる人がいるとは思ってなかった。

てか、今この状況でそのことを言われるのは非常にまずい。

菅原に私がバレーをやってたことを言ってない。
むしろノヤと潔子しか知らない。

「もし、そうだとしたら影山くんはどうするの？」

だから今、この状況が非常にまずい。

落ち着いて余裕のある返事をしているけど、実際はそんなことない。脳内パニック。

ポーカーフェイスを練習しておいて良かった。
今に役立つことができてる。

「サインでも要求する？それともなんで今はバレーをやってないのか聞く？」

戸惑ってる影山くんにどんどんと質問を放り投げる。

そんなにどんどん聞かなくても、と思うかもしれない。
でもわざとやってるのだ。

だって、質問に答えられたら困る。
なんで今はやってないか、とか聞かれたら本当に困る。

バレー部員に、私がバレーをやってたことを言うつもりなんてない。
ましては異名がついてたことなんて、もっと言うつもりはない。

「残念だけど、バレーのことについては何にも答えるつもりはない。」

私のことを知ってる人に通ってる高校がバレたのに、他のことなんて絶対に教えれるわけない。

バラされたらどうする？
記者に私の話の内容を売られたら？

週刊雑誌に取り上げられるのはもう嫌だ。