私 ページ23
黒川先輩が歩いて行ってしまった後、自販機でぐんぐん牛乳を買って教室に戻った。
自分の席につけば潔子が来て、また牛乳飲んでる、と笑う。
2年の時も潔子と同じクラスで、よく話をしていた。
でも潔子との話が全然頭に入ってこなくて、さっきの黒川先輩の言葉が頭の中にループする。
潔子「A？大丈夫？」
潔子の声にハッと我に帰ると心配そうに私を見ていた。
大丈夫大丈夫！と返事をすれば、”難しい顔して急に黙ったから何かあったのかと思った“と言われた。
私としたことが、いつの間にか難しい顔をしてしまっていたらしい。
「ごめんちょっとトイレ行ってくるね」
潔子を心配させないためにヘラリと笑ってトイレに向かった。
今は何を話してもどんなに重要な話をされても、聞ける自信が無い。
トイレにつき、スカートを履いたまま洋式トイレに座った。
そして目を閉じ腕を組んで考える。
“神無、お前は自分の気持ちを押し込みすぎだ。”
なんで私が気持ちを押し込んでることを知ってたんだろう。いつから知ってたんだろう。
バレない様に鏡の前で必死に練習した完璧な笑顔を貼り付けていたはずなのに。
オドオドしないようにしっかり声も出したのに。
“誰もお前の本当の気持ちを知って怒るやつなんていない。”
なんでそう言い切れるんだろう。黒川先輩は部員たちとの信頼もあるから言えるかもしれないけど、私はたいした信頼もないし、私ごときの意見なんて誰も聞き入れてくれるはずがない。
考えれば考えるほど暗闇に吸い込まれていきそうな感覚になる。
それに、黒川先輩の言ったことができれば苦労なんてしてない。
今思えば、いつからこんな考え方になったんだろう。
口が悪くなったのは中3の不良になった時期からだった。でも、自分の考えを心の底に押し込むようなことはまだしていなかった。
高1になってからもそんなことはしていなかった。
高2になった時はもうすでに押し込むようになっていた。
あぁ、部活に入ってからだ。
部活に入ってからはしばらく口も悪かったし、自分の考えもしっかり言えていた。
でも、今まで通りに喧嘩したり教頭にタメ口で話したりしたら問題扱いされてしまった。
そして、部員のみんなに迷惑をかけた。
そこから、自分の意思は必要ない、いい子であればなんの迷惑もかけることがないと思うようになった。
そして、本当の私を嘘で覆い、偽りの私を作り上げた。
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さくみ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます！春頃の県民大会なんですね！ご指摘ありがとうございます！直してきます。本当にありがとうございます！ (2020年3月13日 3時) (
レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - さくみさんいつも楽しみに見させてもらってます！！潔子さん好きの私にはサイコーです！！一応補足させて頂きますが、東峰さんが伊達工に捕まりまくったのは、春頃の県民大会であって、春高とは恐らく別物かな、と。上からに思えたらすみません！続編も応援してます！ (2020年3月12日 8時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます！潔子さんの話あまりないですよね、私もそう思います！！更新頑張りますね！ (2020年2月20日 6時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 清子さんの話ってあんまりなくて見つけてすごい嬉しかったです！！これからどうなっていくのか楽しみです！更新頑張ってください〜待ってます！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: 68de5461dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくみ | 作成日時：2020年2月16日 8時
