あの時 ページ2
「くそっ」
ノヤの投げたモップが『カァン!』と音を立てて壁に当たった。
そのあと『カラーン…』と無造作に音を立てて床に転がった。
ノヤがモップを投げるまではほんっとうに誰1人話さなかった。
龍と菅原と澤村はノヤの方を何とも言えない表情で見ていた。
東峰は無言でバレーボールをカゴにしまっていた。
「ブロックのフォロー…
全然できなかった……!!」
ノヤの悔しそうな声を聞いて心臓がギュッと縮まった。
「________…!!?
なんでだ!!」
この東峰の表情に胸が傷んだ。
「!?」
ノヤは東峰の方を向いた。
「なんで責めない!?俺のせいで負けたんだろうが!!
お前がいくら拾ったってスパイクが決まんなきゃ意味無いんだよ!!!」
東峰の叫ぶ声に涙が溜まった。
「旭!!」
とっさに東峰を止める澤村が本当に凄かった。
「「………」」
この沈黙が辛くて
「…”意味無い”ってなんですか…」
ノヤの言葉に息が詰まった
「!……」
「じゃあ何で最後トス呼ばなかったんですか
打てる体勢でしたよね」
2人を止めないとって分かっていたのに、
「ややめろよ西谷!
俺が旭にばっかりボール集めたから疲れて…」
「俺に上げたってどうせ決めらんねーよ」
菅原の言葉を遮って言う東峰の言葉に涙が
「_________!!!」
あぁ、これはやばい、って思った
「打ってみなきゃわかんねえだろうが!!
次は決まるかもしれないじゃねーか!!」
分かっていても身体が動かない
東峰を掴んでいるノヤを止めることすらできない
「西__」
『バキンッ』
菅原が止めに入ってくれるけど間に合わなくて、さっきノヤが投げて落ちたモップの持ち手が踏みつけられた。
菅原の表情で目が熱くなった
「俺が繋いだボールを
アンタが勝手に諦めんなよ!!!」
あの時、皆を応援できていたらなにか変わっていたのだろうか
「ノヤ!!」
龍が背後からノヤを羽交い締めし東峰から引き離す。
後輩にやらせてしまう私は何て無力なんだろう
「俺はリベロだ!!守備の要でチームの要だ!!
けど!!」
それでも言い続けるノヤは凄く強い
私に自信をくれたのはノヤだ
「……………俺に点は稼げない」
私にバレーを教えてくれたのは潔子とノヤだ
「………………」
「…俺は…”攻撃”ができない
でもどんなにスパイクが決まんなくたって責めるつもりなんか微塵も無え」
そんなの痛いほど知ってる
ノヤに何回も聞いた言葉だから、
519人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくみ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!春頃の県民大会なんですね!ご指摘ありがとうございます!直してきます。本当にありがとうございます! (2020年3月13日 3時) (レス) id: 8ec2e6d345 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - さくみさんいつも楽しみに見させてもらってます!!潔子さん好きの私にはサイコーです!!一応補足させて頂きますが、東峰さんが伊達工に捕まりまくったのは、春頃の県民大会であって、春高とは恐らく別物かな、と。上からに思えたらすみません!続編も応援してます! (2020年3月12日 8時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - みおさん» ありがとうございます!潔子さんの話あまりないですよね、私もそう思います!!更新頑張りますね! (2020年2月20日 6時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 清子さんの話ってあんまりなくて見つけてすごい嬉しかったです!!これからどうなっていくのか楽しみです!更新頑張ってください〜待ってます! (2020年2月20日 0時) (レス) id: 68de5461dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さくみ | 作成日時:2020年2月16日 8時