【HQ!!】女の子の日にカレと会ったら、惚れ直しました。

花巻×側に ページ21

「…い、おい！」


ハッ、と我に帰る。
みんなが私を見ていた。


「え、あ、ごめんなさいっ…！」
「…お前、大丈夫か？」


と、岩泉。


「うん、大丈…夫」
「…じゃないだろ」


口を挟んだのは、案の定貴大だった。

「お前今日ずっとふらふらしてるし、いつもよりボーッとしてるじゃん」
「ゔ…っ」


図星だった。
ふらふらしているつもりはなかったのだけど、そういえば何時もより景色が揺れる、と思ったな。


「溝口くん、俺、こいつ保健室連れてくわ」
「…責任持って面倒見ろよ」
「分かってますよ」


そんなやりとりをボーッと眺めていたので、貴大が背中を向けて、しゃがんだ事に気が付かなかった。


「え…？」
「馬鹿、察せ。…乗れって言ってんの」
「は、…え！？い、良いから！」


…ったくもう、と舌打ちされる。


「ほら、練習邪魔するわけにもいかないだろ？」


取り敢えず、端による。


「お前が渋れば渋るだけ、俺の練習時間も減るんだかんな」
「…っ、」


それを言われたら、弱い。
渋々乗ろうとしたら、直前に声がかかった。


「はーい、時間切れー。…てことで、強制的に運ぶわ」
「え、え、えええ！？」


俗に言う"お姫様だっこ"をされて。


「お、降ろして！？」
「やだ」


押し問答を続けていると、後ろから、


「やるじゃん花巻」
「まぁなー」


と言う松川と貴大の会話が聞こえて頰が染まった。

更には及川が


「あの2人ラブラブだね！お熱いなー」


なんて言っていて殴り倒したいと思ったが、完璧にコントロールされたボールが彼の顔面に吸い込まれていったので良しとする。
岩泉ナイスキー！



…で。


「降ろす気、ないんだね？」
「うん」


即答。
これはもう、諦めるしかない。

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カミングアウトしてみたら…？

菅原「辛くなったらすぐ俺に言えよな」

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