想い重く(ベレト(甘狂)) ページ19
先生は人気者だ。
お茶会の約束も、食事の約束も、いろんな生徒としているし、先約があると断わられることも少なくない。
けれど、私はベレト先生が好きで、独り占めしたくて…。
『先生。私、先生のことが好きです』
舞踏会の夜。
偶然、女神の塔の前で会えた先生を見た時、嬉しくて、まるで運命みたいに、ロマンチックな展開に浮かれてしまって、想いが口から溢れ出てしまった。
一瞬、驚いた顔をした先生はやがてふんわりと微笑んだ。
その笑みは、夜に咲く一輪の花のように強く美しく煌めいているように見える。
｢あぁ。自分もAが好きだ｣
夢みたいで、思わず目から涙が溢れ落ちていって、けれどそれを先生の指がぎこちなく、けれど優しく拭ってくれた。
｢…夢みたいだ。ずっと、Aのことを想っていたから…｣
ベレト先生も同じ気持ちなことが嬉しくて、今度は涙じゃなくて笑みが溢れる。
『先生は人気者だから、私の事なんか選んでくれないと思ってました。だから今、想いが届いて本当に幸せです！』
｢……どうして選ばないと思った？｣
『え？だって、先生を好きな子は私一人じゃないし、先生はみんなに優しかったですし、まさか私を好きだなんて想像もしてなくて…』
恥ずかしながらも思いを吐露すれば、先生の顔は予想とは違う苦々しいもので…。
｢すまない。自分にとってAは特別だ。……だから、これからは勘違いされないように気をつける｣
そう言って先生は私を抱きしめた。
あんまりに強く先生が抱きしめるものだから少し痛くて、でもやっぱり好きな人の腕の中に居ることが幸せで笑ってしまった。
※※※※
あれから先生は、私に勘違いされない為にか私としか食事もお茶会もしなくなった。
講義中以外、片時と言っても良いほど私の傍を離れず、浴室に入る時は見張りのように扉の前で待っている。
｢……次の課題は部屋で待っていてくれないか？｣
ベレト先生は、私を戦場に出すことが嫌なようでそう不安そうに口にしてぎゅっと私の手を握る。
断れず頷いた私を先生は、最初とは大違いの優しさで包み込むように私の身体を抱きしめた。
｢ずっとAが好きだった。だから、選ばれた時は信じられなくて、そして、手にしてしまったから、もう二度と手放せないなと思った｣
重いほどの想いを嬉しいと思ってしまう私は重症なのかもしれない。
私はそっとベレト先生の背に手をまわした。
返事は祝いの後に(シルヴァン(甘))→←全部、雨音に消して(ユーリス(切甘))
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安城(プロフ) - まふころーさん» 返信が遅くなり申し訳ありません。リクエストの方は再開未定となっております。申し訳ありません。 (2023年4月7日 20時) (
レス) id: 1cc22b913b (このIDを非表示/違反報告)
まふころー(プロフ) - リクエスト、まだ再開してませんか？？ (2023年3月9日 23時) (レス) id: a91e55a1df (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 分かりました！急にリクエストしようとして申し訳ないです。 (2021年5月1日 15時) (レス) id: 9bdfc12b9d (このIDを非表示/違反報告)
安城(プロフ) - 桜さん» 返信が遅くなり申し訳ないです。前回更新と同時に概要欄に記載させて頂いたのですが、現在リクエスト停止中となります。お手数ですがリクエスト再開時にまたリクエストして頂けると嬉しいです。 (2021年4月30日 14時) (レス) id: 5852e8de80 (このIDを非表示/違反報告)
安城(プロフ) - 桜さん» いえいえー！かしこまりました。お時間頂きますが、気長に待っていただけますと幸いです。 (2021年4月15日 14時) (レス) id: 5852e8de80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：安城 | 作成日時：2020年11月11日 20時
