綺麗なだけの恋じゃない(シルヴァン(甘)) ページ16
シルヴァンは私に甘いと思う。
｢あ、シルヴァンくん！ちょうどいいところに｣
｢悪いな。ヒルダ。これから、Aと約束があるんだ。また今度な｣
前は手伝っていた……というか代わりにやってあげていた面倒事も請け負わなくなったし、
｢シルヴァンくん。これから、お茶でもどうかしら？｣
｢ドロテアちゃん。嬉しいお誘いだけど、さっきAとお茶したばっかなんだ。だから、今日は遠慮させてくれ｣
前だったら喜んでついて行ったであろう女の子からの誘いにもついて行かなくなったし、
｢私、貴方のことが好きなの！私と……｣
｢……俺、好きな子がいるんだ。その子以外の子となんて、考えられない。ごめんな｣
来る者拒まず、去るもの追わずだったシルヴァンが、こんな風に真摯に対応するようになったのだ。
それも、私と付き合うようになってから。
……私は、自惚れてもいいのかな？
なんて考えを振り払うように、食堂へと駆け出した。
※※※※
｢A｣
『わっ……！？シルヴァン…！なんでここに…？』
｢わって傷つくなぁ。当番だって聞いたから手伝いに来たんだよ｣
そう言ってスープの鍋をかき混ぜていた私の手を後ろから握り、一緒に鍋をかき混ぜるシルヴァンを私は反対の手で軽く小突いた。
『これじゃ手伝いに来た意味ないでしょ』
｢そうか？俺としてはこれも手伝いのうちに入るんだけどな｣
『はいはい』
｢相変わらず冷たいなー。俺たち、付き合ってるのに｣
『そ、それはそうだけど……』
相変わらず離れない手に、彼の言葉もあって恥ずかしくなる。
『ねぇ、シルヴァンはさ。なんで女の子たちと遊ぶのやめたの？』
｢…ん？そんなの、｣
チュッと私の頬に口付けた彼を、私は弾かれるように見上げた。
｢Aのことが好きで好きで仕方ないからに決まってるだろ｣
思いの外真剣な表情のシルヴァンに、私の顔は熱を上げていく。
｢俺のこれまでの言動を思い返せば、信じられないのも当然っちゃ当然だけど、でも、Aにだけは信じて欲しい｣
言葉に宿る甘さと真剣さに、不安気に少し揺れる声音に私は彼の手を握り返した。
『……うん。信じる』
｢っ！｣
瞬間、片手で私を抱き寄せた彼がもう一方の手で火を止める。
『夕食、遅くなっちゃうよ』
｢その時は俺が謝るさ。だから｣
重なる唇に目を閉じる。
私の腰にまわる彼の手は優しくて、この腕の中にあともう少し、居たいと思ってしまったのだった。
思ったことしか言わないよ。(リンハルト(甘)) 【桜様。リクエスト】→←薔薇色の学生生活スタート.....？(クロードVSリンハルト(甘)) 【桜様。リクエスト】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
安城(プロフ) - まふころーさん» 返信が遅くなり申し訳ありません。リクエストの方は再開未定となっております。申し訳ありません。 (2023年4月7日 20時) (
レス) id: 1cc22b913b (このIDを非表示/違反報告)
まふころー(プロフ) - リクエスト、まだ再開してませんか？？ (2023年3月9日 23時) (レス) id: a91e55a1df (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 分かりました！急にリクエストしようとして申し訳ないです。 (2021年5月1日 15時) (レス) id: 9bdfc12b9d (このIDを非表示/違反報告)
安城(プロフ) - 桜さん» 返信が遅くなり申し訳ないです。前回更新と同時に概要欄に記載させて頂いたのですが、現在リクエスト停止中となります。お手数ですがリクエスト再開時にまたリクエストして頂けると嬉しいです。 (2021年4月30日 14時) (レス) id: 5852e8de80 (このIDを非表示/違反報告)
安城(プロフ) - 桜さん» いえいえー！かしこまりました。お時間頂きますが、気長に待っていただけますと幸いです。 (2021年4月15日 14時) (レス) id: 5852e8de80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：安城 | 作成日時：2020年11月11日 20時
