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「ちょっと〜、Aさん〜？」
「聞こえてますか〜？」
!
「…あ、！すみません！」
「これとあのファイルに入ってる資料をコピーしてください」
「わかりました」
やばい…
ボッーとしてしまった…
「…切り替えろ…切り替えろ……今は仕事に集中」
自分に言い聞かせるようにして何度も唱え、頭を振る
「ぷっ…！何してるん？A？」
「えっ！？和くん…？」
「やっほ〜！」
「…なんでここに？」
「顔見たくなったから」
こんなやりとりをしてるとあちらこちらで「なんで大橋くんが！？」とか「あー、かっこいい」とか「大橋くんに会えるなんてラッキー…！」という女性社員の声と冷たい視線が突き刺さる
「ほら、！和くん！自分の部署に戻りなよ」
「え〜！そんなぁ〜〜」
ごめん、本当にごめん和くん
お願いだから早く戻って…！
「ん〜、じゃあバイバイ！いい子で待ってるんやで〜？」
「うん…。」
和くんの背中が見えなくなると複数人の女の子たちがこっちに迫ってくる
「ちょっと、いいかしら？Aちゃん」
「…はい。」
いつからだろう
「ねぇ、？調子乗んないでくれる？」
「絶対、大橋くんは本心あなたのこと好きとか思ってないよw」
「あと一ヶ月くらいで別れ話が来るんじゃない？」
こうやって言われたり、仕事を押し付けられたり
「…ごめんなさい」
これしか言えない
和くんは気付いてない
でも、私に和くんに言い出せる勇気はないし言ったところでこの人たちは言い訳を沢山する
優しい和くんはそれを許してしまう
あと、和くんと釣り合っていないなんてそんなの元から薄々思っていた
やっぱりこう言われると痛いほどわかってしまう
だから、私が我慢するしかない
私が我慢すればいいだけ
それだけ
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作者名：あんずサイダー | 作成日時：2022年12月6日 21時
