私の大切な赤

夜 ページ17

鎌「八田さん？あんま食ってないじゃなすか」
八「夏のおめーに言われたかねえよ」
鎌「あ、そーだ。これ、さっき聞いた話なんすけど、ここら辺、でるらしーすね」
八「は！？」
鎌「何でも子どもが海岸線の洞くつで溺死したらしくって」
　「けどその子、自分が死んだことに気付いてないらしくって」
　「いまだに洞窟探検してるらしいっす」
　「あの洞窟に行くと、足音や子供の声がどこからともなく聞こえてくるらしいっす」
八「ひぎゃあああああああ！！！」
貴「うるさい…」


よくそんな悲鳴が出るよね


うるさいよ…



八「アアアアア、アンナ！？」
鎌「八田さん、そこまでビビんなくても」
八「ビビってねえよ！！？」
ア「幽霊？」
鎌「ほんとに幽霊がいたらあんなには見えそうだな」
多「じゃあさ、この後みんなで行かない？」
貴「肝試し？面白そう！」


きっと楽しいよね

ま、私は幽霊なんて信じてないけどさ


草「お前らなあ…。不謹慎やろ」
多「でもさ、もしそこに幽霊がいるなら一人で暇してるかもよ？」


幽霊って暇とかあるの？


八「でも…この世を恨んで出てきたら…」
多「だったら相談ぐらい乗った方が気が楽になるかもしれないし？」
貴「たたらのその、幽霊に対するポジティブさは何なの？」
多「キングも行かない？」
　「腹ごなしの散歩」

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