貴方に画く恋をしたい【A3!】【男主】 (ページ27)

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†星空の契りページ27

目が覚めた。

妙にスッキリしているが、時計を確認するとまだ二時を指していた。

…おいおい、まだ寝てから三時間もたってないぞ。僕の体はどうしてしまったのか。

隣で寝る晴翔はまだまだ夢の中の最中に見える。

だがもう一度寝る気にはなれず、暇になってしまったので携帯を開いた。
そしてなんとなく通信アプリのアイコンをさっき撮った星空の画像にした。

…すると、すぐさま通知が来る。こんな時間に誰だと顔をしかめるが、暇潰しになりそうという心が勝った。

通知を開くと、レニさんからだった。

正直レニさんはこんな時間に起きてると思っていなかったので少し驚いた。

嘘です、めっちゃ驚いてます、レニさんだ！！！

だが、深夜だからか冷静になり、メッセージの内容を落ち着いて確認できた。

［今夜の星が気に入った？］

何気ない文章だ。僕のアイコンを見て察したのだろう。

アイコンの隅にはこの家の白く美しい窓枠が写り込んでいる。

「はぁ…」

胸の辺りがきゅう、となる。

学生時代、僕は理想が高すぎて寄ってくる女の子を相手にしたことがなかった。そのため、こんな風に、想い人の行動にドキドキするのはレニさんに出会ってはじめて体験したことだ。

…恋、って楽しい。

〔はい、とても気に入ってしまって。〕

誤字が無いよう、一文字ずつ慎重に書き、返信した。

すぐに返ってくる。

［そっちでは良く見える？］

〔はい、今日は一段と綺麗にみえます。冬になって空気が澄んできたみたいですよ。〕

短調なレニさんの文章は可愛いげがあり、普段とのギャップが堪らない。

［今から向かう］

「えっ？」

思わず携帯を落とした。

ガキッと音がして携帯が床に転がる。

慌ててひろってからもう一度確認するが、レニさんはどう考えても此方に向かっている。

…これが、結婚か(違う)

ひとまず分かりました、待っていますと返してから、電源を落とした。

そして、携帯を握りしめたまま内股で腰が砕ける。

深夜にレニさんに会うのは、よく考えると初めてだ。

脳内で僕は金メダルをとったスポーツ選手のように胴上げされ、インタビューを受けている。

レニさんがわざわざ此方まで来てくださることについてどう思いますか？

もう、感謝しかありませんね。

にやにやしながら叫びたい気持ちを抑えつつ、着替え始めた。