†明くる日は ページ13
丞の説明とそれを訂正しながらツッコむ僕。
まるで二人舞台だ。
_ずる賢い僕は沢山の人を騙し
騙された皆の仲間の丞が僕の悪事を暴いて成敗するコメディ舞台_
あらかた説明が終わったあとに切り出したのは古市さん。
「つまりお前はうちのスパイでもしに来たのか？」
腕を組み直して睨む。なんやかんや優しかった古市さんがこんなに怖いとは。極道みたいで思わず口が滑る。
「僕は、レニさんのストーカーじゃありません」
「お前質問聞いてたか？」
うっかりにもほどがあるが一番訂正したかったところだ。レニさんにストーカーなんかしない。レニさんのすべてを知りたいとは思うがそんな野暮なことはできない。
レニさんには静かに、平和に暮らして欲しい。
だからこそ、僕が彼等と馴れ合うのはよくない
彼等と馴れ合う僕にレニさんを好きになる資格なんて無い。
「嘘つけ。左京さん、こいつはいつも神木坂レニの方をチラチラ見ていて話を聞いてないくらいのストーカーです。騙されないで下さい」
「いやだからそこじゃない」
「王子くんそんなのはデタラメです。僕はレニさんの方をチラチラ見てなんかいません」
「お前たち話を聞かねぇとそろそろしょっぴくぞ」
わらわらと場が盛り上がってきた。
これだ、MANKAIのいいところだ。
皆がみんな柔らかくて、人を信じてくれる。すぐ打ち解ける。
だから、GOD座とは違う。
見せてもらったビデオのなかでは新生秋組がGOD座とは一番ほど遠かった。ウェスタンな雰囲気にガラの悪いメンバー。GOD座とは真逆といっても差し支えない。
いけない、思考がそれた。
そもそも今日は陽翔に言われた通り、こことは縁を切ってくる約束だったのだ。
雰囲気に飲まれてしまった。
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「は？そんなに通い詰めてるのか…」
「うん…」
陽翔にすべて話した。
忠告を破ったことも。
「…レニさんが知ったらどう思うかねぇ」
「…」
心底面倒な顔をして此方を見た陽翔。
言い返すようなことはできない。
「皆、いい人なんだ。」
「お前さ、MANKAIカンパニーがうちと因縁あるの分かってるだろ？」
さっき嫌と言うほど聞いた。
「…ごめん」
「…謝るなら、あいつらと縁を切ってから、レニさんに胸を張れるようになってから。」
はいはい、と子供をあやすかのように言い、陽翔は練習に戻った。
レニさんに…か。
僕は急いで荷物をまとめて、いづみさんに連絡をした。
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作者名：Noahu | 作成日時：2017年9月5日 23時
