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あったはずの黒点はいつの間にか消え、


その場には、皹の入った私と、


70年前に月にさらわれたはずのアパタイトだけがいた


風が吹く


アパタイトの髪がサラサラと風になびく


「戻ってきちゃった」


さっきと同じ台詞を吐くと、まだ呆然とする私の前で手を振り、


反応なしと判断したのか私を抱えて走り出した


「寂しかったでしょ？ アン、泣きそうよ」


「黙って走れアホ」


なんて


70年ぶりに会話をするのに、


なんで素直になれないんだか



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作者名：アメトリン | 作者ホームページ：　  
作成日時：2017年12月17日 18時

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