元暗殺者の小説家。

36話 ページ37

『北河』





北河「来るの早くなーい？A」




ケタケタと笑う北河。




北河「福地…変わっちゃったね」




『…仕方ないだろ』



そう言うと北河はまたケタケタと笑った。




北河「はいほうじ茶」



ｺﾄﾝｯとコップに入ったほうじ茶を受け取った。




『助かる』



いただきますといい一口飲んだ。




北河「Aは優しいよね」



『突然なんだ』



北河「福地のこと
斬れたのにどうして斬らなかったの？」




流石…だな…



『ノブにはバレたか…
斬れないよ
だって友達だもん』


友達を斬れるわけないだろう


普通に考えてさ




北河「……自分を殺すかもしれない相手なのに
よくそんなこと言えるよね…」






『あたしは
お前に出会わなかったら福地を斬っていたよ』





そう言うと北河は少し驚いた顔をした。



『お前が教えてくれただろう
感情という言葉を』



言い訳かもしれないが、実際にその感情のせいで

斬れなかった。




『福沢は？』



北河「こっちではまだ見てねぇよ」



よかった…ならどこかで生きてるのか…






北河「なあ、A」



『どうしたノブ』



北河「もし、まだお前は生きてるって言ったら
どうする？」



は？



『え、何言ってるんだ』




北河「……いっとくけど、
お前の肉体まだ生きてるよ
まあ、現在進行系で危篤状態なんだけど」



『あたしは死んだからここにいるんじゃないのか？』



北河「違う違うwwwここはまだ
三途の川の手前
俺がここに遊びに来てるだけであって
お前はまだ生きてるよ」



『…』



北河「AにはまだAの役目ってのがあるじゃん？」


北河はあたしの両手を握りそう言った。




北河「その役目が終わるまで
ここに来るのはちょっとって思うんだけど…
どうかな？」



あたしの役目…



『あたし役目ってのは…なんだ…？
北河…教えてく』




北河「アハハw馬鹿だな〜」


北河は馬鹿にするよにあたしに笑いかけた。

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