元暗殺者の小説家。

17話 ページ18

福沢のことは心配だが…



恐らく大丈夫だろう。


アイツ…地味に生命力はあるからな…




『北河はずっと私の側にいてくれたのか？』



北河「おう」



『…もう私もそっちに逝ってもいい年齢だと思うんだ…
だから…』



北河「お前はあと60年は生きろ！」


は、？



『あたしは北河が死んで20年耐えたんだよ！？！
顔を合わせるだけでも死ぬほど嬉しいのに…』



北河「俺だってしんどいんだよ！！
お前に触れられないし！！！
s(((『言わせるか！！！』…俺のこと忘れて新しい人と新しい人生を歩んでほしかったのに…」



『北河以上に好きになった人がいないからだよ
あたしはノブが大好きだから…』


北河「……可愛いこと言うな…
ホント…ありがとうA」


『ねえ北河』


北河「？」


『……好きだよ』


北河「……知ってる」


ニシシと笑い北河は私の頭を撫でた。


『好き』


北河「うん」


『大好き』


北河「うん」


『愛してる』


北河「俺も愛してる」


『ノブ』


北河「なんだ」


『……あたしは君の敵(かたき)を取れただろうか』


北河「十分取ったよ…お前は…」


北河が私の頬を触った。


北河「にしても…かわいいよなホント…
俺が和服にあってるって言ったから着てくれてるんだろ？」


『そうだけど？』


北河「俺お前のそうゆうとこ好きだわ…
さて、と
Aそろそろお別れだ」


『イヤだ』


北河「なんでよ…」


『北河と一緒にいたい』


北河「ダメだっつってんだろ…あと100年は生きろ」


『さっきより増えてるぞ北河』


北河「…泣くなよ」


『泣いてないし…』


ウソだ。

涙が止まらない。


北河「…今から涙を止める魔法をAにかけるよ
目…瞑って？」


あたしは素直に従い目を瞑った。


ふにっ



柔らかいものが私の唇に当たった。


あ…信也にキスされている。


何年ぶりだろうか…



北河「…ほら、涙止まったよA」


彼はあたしの頬に流れた涙を拭き取り
そして微笑みあたしの髪の毛をくしゃっと撫でた。


北河「もし、Aがこっちに来ることになったら美味いほうじ茶用意して待ってるから」


『…ババア臭いだろうそれは…』


北河「お前もうババアだろ」


『…そうだな』


北河「A」


『なんだ？』


北河「…愛しているよ
ずっと側で見守ってるから」


『…あたしも…信也のこと愛してるよ…』


信也の感触がなくなった。


嗚呼…消えてしまったのか…






『北河……』

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