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例年通りの暑い日差しに眉を顰めた私は今、ロンジュンの家の前に立っていた。
ドンヒョクの『いつも俺らが遊ぶ場所』発言により、例の遊ぶ場所はロンジュンの家となったからだった。
受験生になってからはロンジュンの家に行くことがなかった私は、いつも行っていたはずのそこに正体不明の緊張感を覚えてインターホンを押せずにいた。
「…もうみんな着いてるのかな」
ジェミンくんだけがいないグループチャットを見れば、一番下に表示されるドンヒョクからの『俺これから家出るから』というメッセージ。
きっと各々個人チャットでやり取りしているんだろう。
いつまでもここで立っているわけにはいかないと指を伸ばしたとき、背後から聞き慣れない声がした。
「君がAちゃん？」
驚いて勢い良く振り返った私が面白かったのか、子供のようにケラケラ笑いながら彼は続けた。
「ナジェミンです。どうぞよろしく〜」
独特な話し方をする彼に若干面食らいつつも、『ユンAです、よろしくお願いします』と返すとジェミンくんはよく分からないことを言った。
「Aちゃんのことは前からよく聞いてたよ」
「…え？」
「君がねえ、へえ〜」
私がジェミンくんのことを聞いたように、彼も私のことを聞いていたのだろうか。
それにしても誰から？ロンジュンかドンヒョクだろうか。
ジェミンくんの発言の真意がわからず、反応に困った私を見てジェミンくんは『気にしないで』と言いながら手をひらひらと振った。
掴みどころのない人だな…。
「…私もジェミンくんのことはみんなから聞いてました」
私が小さな声でそう言うと、ジェミンくんは大きな目を少しだけ細めて笑った。
「“ドンヒョクじゃない友達”でしょ？」
「あ、知ってました？」
「うん」
ドンヒョクじゃない友達という謎の称号を知っていたことに、またしても驚いた私をよそにジェミンくんは続けた。
「それよりさ、敬語外してよ。同い年なんだし」
「あ、それもそうですね」
「ほら〜」
「じゃあ…よろしく？」
何故か疑問系で言った私に、ジェミンくんはさっきのように『何それ』と笑った。
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作者名：きなこもち | 作成日時：2023年2月9日 19時
