あの夏の君の微笑み (ページ1)

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彼と出会ったのは一年前のあの夏。

その日は無駄に暑かったのを今でも鮮明に覚えてる。

夏休み、受験生の私は勉強に集中できなくなって家から近くの公園まで散歩に行くことにした。

家の冷蔵庫にジュースはなかったし、散歩がてらついでに飲み物でも買いに行こうと考えながら靴を履いて家を出た。

私の家の近くにはコンビニがない。

だから何かジュースが飲みたくなったら、その公園にある自販機に買いに来るのが私の中で定番となっている。

「はあ、なんでこんな今日暑いんだよ…」

目を細めながら暑い日差しを睨み、愚痴を漏らしながら自販機の前まで行くとズボンのポケットに入れていた財布を取り出した。

定番とは言ったものの、ここ数ヶ月は夏休み前で学校が忙しく通学路と反対方向にあるこの自販機で買うことがなかった私は、多少入れ替わった飲み物のラインナップを見て何を飲もうかと頭を悩ませた。

「あ、でもこれあるじゃん」

ふと、隅の方に去年の夏にハマって飲んでいた缶ジュースを見つける。

パッケージにはでかでかと『シュワッと炭酸☆りんご味！』と書いてある。

「パッケージはダサいけど、味は美味しいんだよなぁ」

結局、そのジュースを買うことに決めた私は自販機の投入部分に硬貨を入れた。

「あれ、なんで」

何度入れても硬貨が戻ってきてくることに頭を傾げて立ち尽くしていると、後ろから声が聞こえた。