34 RYUJIside ページ34
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あれから何時間もAを探し続けた。
だけど、何処にも居なくて
俺は聖夜の夜に立ち尽くしていた。
たったひとりで。
ポケットからティファニーブルーの箱を取り出す。
パカッ
箱を開けるとキラキラと光る指輪。
今日の夜、Aが寝ている間にサプライズで枕元に置いておく予定だった。
婚姻届と一緒に。
起きたらそれに気付いて驚いて「隆二!」ってきっと俺のところに走ってくるはずだったんだ。
そしたら俺が
「結婚してください」
って言って、Aの薬指に指輪をはめてやろうと思ってた。
Aが好きなティファニー。
これをあげれば絶対に喜んでくれると思ってた。
だけど、Aが本当に欲しいのはこれじゃなかった。
何も分かってやれてなかったんだ。
俺はいつの間にかAの気持ちを見失っていた。
ずっと一緒にいられると思ってた。
今年も
来年も
何年も
その先も
永遠に
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作者名:こぁお x他1人 | 作者ホームページ:http://koao
作成日時:2017年11月17日 23時