31 RYUJIside ページ31
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♪〜
街がキラキラ輝き、
恋人達が腕を組んで歩く。
そう、今日はクリスマス。
そんな日にも仕事はあって1日中ずっとAとデートなんてことは出来ないけど、夜は二人でレストランにディナーに行く。
それだけを楽しみに今日の仕事をこなしていく。
HIRO「今市」
隆二「はい」
楽屋に向かっているとき、HIROさんに声をかけられた。
HIRO「馬橋さんに将来有望な若手実力派歌手を紹介してくれと頼まれてな」
馬橋さんというのは、数年前まで世界中で大人気だった女性歌手。
今は自身で事務所を立ち上げたりなど裏方で活躍している人。
だけどまだ若く年齢は俺より少しだけ上。
ものすごい美人で男との噂は常に絶えない人だ。
HIRO「それで俺は今市を紹介したんだ」
隆二「えっ、ありがとうございます!」
HIROさんに将来有望だと思われるのは嬉しい。
HIRO「馬橋さんは今市に興味をもたれて今晩、食事をしたいと言われた」
隆二「…今晩、ですか?」
HIRO「ああ、急になってすまないな」
隆二「いえ」
HIRO「もう都内の高級レストランに予約してくれたそうだ。詳しい場所はあとで教える。
…今晩、大丈夫だな?」
Aとレストランに行くのは今日じゃなくても行ける。
だけどHIROさんがくれたチャンスきっと2度とない。
Aも説明すれば分かってくれる。
だから、
隆二「大丈夫です」
俺は約束より馬橋さんとの食事を優先した。
HIRO「あ、食事は馬橋さんと二人きりだからな」
隆二「二人きり!?」
HIRO「ああ、失敗するなよ」
隆二「はい」
Aに電話しないと。
怒るかな。
悲しむかな。
隆二「…もしもし?」
A『もしもし?どうしたの?』
隆二「うん。今日の夜、仕事入った」
A『え、』
隆二「ごめん、すごく大事な仕事で断れなかった」
A『あ、うん、大丈夫だよ。頑張ってね。じゃ』
プツッ ツーツーツー
悪いことしたな。
来年は一緒にいたいな。
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作者名:こぁお x他1人 | 作者ホームページ:http://koao
作成日時:2017年11月17日 23時