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困り事50つ目 ページ3

目が覚めたと津守からメールを貰って2日、漸く捻出した時間を使って病院へ駆け付け扉をノックすると返ってきた返事に目を覚ましたのは本当だったんだなと安堵しながら開ける。

入ってきた僕たちが予想外だったのか目を瞬かせた後、緊張していたのか肩の力を抜いてから嬉しそうにふにゃりと笑い傍にあった椅子を指して「どうぞ」と言うのに遠慮なく腰を落ち着ける。幼馴染がサッと津守の顔に近い方の椅子に座るのに苦笑しながらではあったが。

「2人まで来てくれるとは思わなかったです。良いんですか?」

「問題ないよ。それより、怪我の具合は?」

「包帯のせいで大怪我に見えちゃいますけど大した事ないですよ。でも退院後暫くはリハビリしながら内勤ですね。撥ね飛ばされた時に足も腕も折れてしまって、片手でできる簡単な仕事しかできないんです」

不満です、という表情を隠しもせず折れていない方の腕でもう片方の折れた腕のギプスをぽすんと叩く。

「後遺症が残らないみたいで良かったよ…本当に」

俺よりも心配していた景光が津守の手を取り額に当てる。萩原からのメールを見てすぐ連絡を取ってきてそのまま警察庁に居る俺の元まで飛び込んできた景光を思い出す。

事実確認の為に問い詰められ答えれば、怒り心頭に胸倉を掴まれ何故教えてくれなかったと怒鳴られた。6年の間隠していたこと、気付かなかった自分への怒り、公安警察である自分が軽々しく動けないことも自覚して諸々の感情が瞬時に爆発したようだった。

津守は俺たちが探っていることを知らない。景光もそれを承知の上で今日はついてきた。何も余計なことは言わないことを約束させて。

「なぁ結、今更だけど聞いてもいいかな?」

「なんですか?」

「警学時代、お前救済になる死もあるって言ったよな」

きょとんとする津守と、隣で津守の手を握ったまま俯く景光を見て、ざっと顔が青くなる。どういうことだ、そんな話は知らない。

だから津守が親友に漏らした殉職したいと思っているという話を聞いて景光はあんなに怒ったのか。理解した刹那、はたと思い出す。警学時代、風呂掃除をしている時に見たあの傷。あれは、まさか。

「あれどういう意味だったんだ?」

「ぼくそんなこと言いました?」

は、と津守を見ると、明らかに嘘をついていますという顔をしていた。

しかし景光は無理に問い質すつもりはないようだ。ならば僕も無理に暴くつもりはない。仕方ない奴だなと思いながらもやはり僕も甘い自覚はあった。

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きゃすみ(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました!!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!! (2023年3月10日 14時) (レス) id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 更新したんですね!相変わらずめっちゃ良かったです! (2022年12月23日 12時) (レス) @page15 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新お疲れ様です! (2022年12月22日 21時) (レス) @page15 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ライキ - うわぁぁぁぁぁぁん!!!結くんーー!!!!!仲間たちを頼ってくれてありがどうぅぅぅ!!!! (2022年12月7日 18時) (レス) id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めっちゃ好きな作品、、、!最高、、、!これからも無理せずに更新頑張って下さい!応援してます! (2022年11月24日 19時) (レス) @page12 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2022年7月9日 19時

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