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困り事67つ目 ページ20

裁判の日程決定の通知は想像より早く届いた。下手に延ばして騒ぎが落ち着いた後に再度注目を浴びるより、注目度が高い現段階で素早く済ませてしまおうという事だろう。そもそも証拠はぼく自身の供述と合わせて十分に集めてくれているし、両親も容疑も認めている。勝敗はほぼ決まったようなものだ。

だが実を言うとまだ、両親に逆らうのはいけないことのような気がしてならない。日が近付くにつれて不安で眠りが浅くなってしまって、一丁前に恐怖なんてしている。

そんななか迎えた裁判当日。朝から始まった裁判は夕方まで続いた。

長々と語るようなことでもないため結論から言うと、両親ともに有罪判決を下された。

暴行罪傷害罪強制わいせつ罪横領罪……、こうして並べ立てられると、よくぞここまでバレなかったものだと思う程の罪の多さに密かに感心したのは記憶に新しい。

そして、逮捕前に最後に会ってからそんなに日は経っていない筈なのに随分と久し振りに感じる両親との対面は、思っていたより恐ろしいものではなかった。何せこの裁判中、どちらもぼくの方を見向きもしなかったから。

「鬱憤が溜まって仕方がなかった。仕事も家事も億劫で、子どもに全ての鬱憤をぶつけていた」
「ただ金が欲しかった。あの子を物好きな奴にあてがい夜の相手をさせれば楽に金が手に入り、あの子が警察官として殉職すれば更に金が入ると思って、日頃から早く殉職しろとと言い続けていた」
「子どもの人生を台無しにしてきたことを深く反省している」
「私欲のために我が子の尊厳を傷付け、損なってきたこと、申し訳なく思う」

──ああ、そんなものなのかと。ぼくの今までの死に囚われた人生が、そんな理由で与えられたものだったんだと。気付いてはいたものの、やっぱりショックで力が抜けた。

それはさておき、この裁判のなかでぼくが両親へ願ったことは、刑期を終えて出所して以降は定年を迎えるまで真面目に働いてもらうこと、ぼくが会いたいと言うまで連絡を断ち会いにも来ないでほしいこと、この2点だ。

もう信じることはできなくたって、それでもやっぱりぼくは両親を愛しているから。二度と会いたくないとは思っていない。お前は甘いと同期の兄貴分たちには叱られたけれど、結局はぼくの意見を尊重してくれるのだから、甘いのは彼らの方だと思う。

ともかく、そういうわけで裁判はなんとか無事に終了し、ぼくは神様をうしなった。

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きゃすみ(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました!!素敵な作品を作ってくださりありがとうございます!! (2023年3月10日 14時) (レス) id: e6f2b24efc (このIDを非表示/違反報告)
セイカ - 更新したんですね!相変わらずめっちゃ良かったです! (2022年12月23日 12時) (レス) @page15 id: bb7bb5003e (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 更新お疲れ様です! (2022年12月22日 21時) (レス) @page15 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
ライキ - うわぁぁぁぁぁぁん!!!結くんーー!!!!!仲間たちを頼ってくれてありがどうぅぅぅ!!!! (2022年12月7日 18時) (レス) id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めっちゃ好きな作品、、、!最高、、、!これからも無理せずに更新頑張って下さい!応援してます! (2022年11月24日 19時) (レス) @page12 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2022年7月9日 19時

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