妹。１３６ ページ44
「柚！」
ビクッと肩が揺れる。
私を呼び止めたのは兄でも研二君でも無く、隣に高木君を連れた美和子さん。二人ともどことなく心配そうな顔をしていて、申し訳ない気持ちになる。
「ど、どうしたんですか？」なんてすっとぼけてみても意味はそれほどなくて、微妙な空気になる。
「…少し話さない？」
「でも…「今は休憩中だから気にしないで」…はい」
高木君は気を使ってかここで別れた。優しいな。
手近なカフェに入って、コーヒーを頼む。美和子さんは困った様に笑って、話を切り出した。
「最近松田君たちと何かあったのよね」
確信を持っている。と言うより、兄たちは私が兄たちを避けている事を話していないのだろうか。
答えられず俯けば、店員さんがコーヒーを持ってきてくれて、取り敢えず一息つこうと顔を上げて一口飲む。
「あのね、柚。由美も私も、松田君と萩原君と貴女の様子が可笑しいって気付いてるわ。萩原君なんて最近書類にミスばかりよ？何があったのか、何に悩んでるのか、私に教えてくれる？」
「…」
答えない。態度が悪いと呆れられるだろうか、幻滅されてしまうだろうか。そう思われても仕方無い。
今の私にはそれに答える言葉が見付からないのだ。
「貴女の力になりたいの」
弱々しい声で、小さく告げられた言葉に、顔を上げる。
美和子さんは、その声と同じ程に悲しげな顔をしていた。
「これは、私が決めなきゃいけないんです。梓ちゃんも相談に乗ってくれてるのに、忙しい美和子さんにまで迷惑掛けられない」
「何言ってるの、友人なんだからそんな事気にしなくて良いわよ。どんな話でも、アドバイス出来る事があったらするわ」
「幻滅しませんか？」
「しないわ」
「由美さん以外に言いませんか？」
「ええ、言わない」
「兄たちはどこかで聞いていませんか？」
「聞いてないわ」
「きっと？」
「きっと」
目を見て分かる。嘘はない。
私は、ふっと目を伏せ、膝に乗せた手を緩く握る。
「………告白、されたんです」
「一応聞くわ。誰に？」
「兄や、研二君、透君、景光君、昴さん。私全然知らなくて…ずっと考えてるんだけど分からなくて、待たせて、心苦しくて、申し訳ない」
「…その人たちが貴女に想いを寄せているのは気付いてたわ。前者二人には協力してた」
初めて聞いた。驚いて顔を上げれば困った様に笑った顔が見えた。
「そうね…確かにこれは柚が決める事だわ」
「心はその人にしか分からない難しいものだもの」
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明菜 - あんこさん» ありがとうございます！ (2018年12月22日 10時) (
レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 明菜さん» 回答遅くなり申し訳ございません！梓ちゃんと夢主ちゃんは親友と言うよりは互いの良き相談相手という感じです！ (2018年12月21日 13時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
明菜 - 質問ですが突然でごめんなさい。お話しの中では梓ちゃんと夢主ちゃんは親友ですか？ (2018年12月15日 23時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - あんこさん» やったあ！！！待ってるね！！！！！ (2018年11月30日 22時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - かりんとうさん» りょかりょか！これ完結させたら多分きっと書くから待っててな！！ (2018年11月30日 13時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
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