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妹。132 ページ40

突然景光から伊達を覗く独身組と称したlineのグループにメッセージが来た。何かと思って開いてみれば、こんな旨が書かれていた。

『兎ちゃんが工藤邸の狼君に狙われてる。俺はそろそろ行動に移そうと思うけど、お前らものんびりしてたら兎ちゃん食われるぞ』

隣の萩原の端末からミシッと音がして、同時に「は?」と吐き出す様な声が漏れた。これは相当キレてんな、と動揺の余りか妙に冷静になる。

つぅかアイツ俺らが柚の事好きなの気付いてたのかああでもアイツも好きなら気付くか、なんて場違いな事を考えながらも鬼電して「あ゙?電源切りやがった…」とイライラしている萩原を落ち着かせた。

「松田」

「…一応聞いてやる。何だ?」

「今から柚ちゃんに告って来て良い?」

ぶっ飛んだ事を言い出す萩原に飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになる。

捜査一課もざわめき、佐藤を遅めの昼食に誘いに来ていた交通課の宮本由美がツカツカと歩み寄って来て勢いよく捲し立てた。

「ちょっと萩原君!柚と付き合って無かったの?!デート行ってツーショットも撮ってたって聞いたのに!あのデート嘘だったの?!」

「えっ、いやいやホント!あれはホントにデートなんだって!柚ちゃんは俺の片想い!松田もあと同期二人も片想いなんだから!」

俺たちに被弾が来た。

宮本や佐藤がビシリと固まるのを尻目に、俺は溜息を吐いて萩原の頭をぶん殴って一昨日の事件の捜査資料を手にする。

固まっている間に逃げようと思ったが、宮本に肩を掴まれた。

「……あんだよ」

「恋、したの?妹に?Loveの方で?」

「…」

「………マジ?」

顔を逸らす。

萩原がやらかしたという顔をするが開き直り俺に親指を立てる。それを見た俺はにこりと笑って親指を下にした。

「アラサーがガキみたいな事してんじゃないわよ」

宮本に窘められつつ昼食として店に強引に連れ行かれ腰を落ち着かせる事となった。

「で?なんでそんな地獄絵図が出来上がっちゃった訳?一般のイケメン男性ならそりゃ喜ぶけどアンタら警察官よ?松田君に至っては妹よ?法律的にも問題あるじゃないの」

「俺はデートが一番のきっかけかなぁ。松田はあの時だよね。残りの二人のきっかけは知らないけど」

「あの時?」

「犯人が目の前で死んだ日、柚に叱責されて『責任全部背負う必要無い』って笑顔向けられたんだ」

我ながら妹にゾッコンだなと秘かに苦笑した。





「松田君って意外と初心よね」
「うるせぇよ」

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明菜 - あんこさん» ありがとうございます! (2018年12月22日 10時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 明菜さん» 回答遅くなり申し訳ございません!梓ちゃんと夢主ちゃんは親友と言うよりは互いの良き相談相手という感じです! (2018年12月21日 13時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
明菜 - 質問ですが突然でごめんなさい。お話しの中では梓ちゃんと夢主ちゃんは親友ですか? (2018年12月15日 23時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - あんこさん» やったあ!!!待ってるね!!!!! (2018年11月30日 22時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - かりんとうさん» りょかりょか!これ完結させたら多分きっと書くから待っててな!! (2018年11月30日 13時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月22日 17時

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