妹。126 ページ34
少ししんみりとした空気になってしまったからパッと笑って哀ちゃんを下ろす。
私の服の裾を握って、じっと見上げていた彼女の瞳はやはり志保ちゃんの瞳に似ていて、物悲しくなった。
「何の騒ぎですか。外まで声が聞こえていますが」
突然別の声が聞こえて皆で扉の方を見れば、会議室を覗いていたのは風見さんだった。
高木君や陣平たちが少し顔を歪める。刑事部と公安部まじで仲悪いよなぁ…まぁ仕方ないのかもしれないけど。でもあの研二君まで笑顔が引き攣ってるのが凄い。
何したの風見さん。
「えへ、すみません。少し揉めちゃって」
「柚さんも居たのか。…京都以来だな」
「そうですね〜!あ、今度お休みの日でもあれば連絡頂けます?色々お疲れでしょうし、愚痴も聞きますよ!ご飯行きましょう!」
「あ、ああ、三日後なら全休だからその日に…」
ちらりと後ろに居る兄の方を見て、見なかった事にするかの様に眼鏡を押し上げる風見さん。
日程と時間の確認をしたらそそくさと去ってしまった。
後ろを見ればにっこりと笑みを浮かべている。他の皆が呆れたり震えていたり多種多様な反応をしているのに首を傾げれば、コナン君が肩を竦めて笑う。
「あれ、なんかデジャヴ」
「気のせいだろ。おら、事情聴取も終わったんだからガキ共は早く帰れ。柚、八時頃仕事終わらせてお前ん家行くから飯作っといてくれ」
「りょーかい。研二君は来る?陣平には聞いてないからね」
「え、俺も良いの?行く♡」
きゃぴっと答える研二君に“おー”と返す。“今日はクール!そんな所も好き!”なんて裏声でふざけて言うのを見かねてか、兄が腹パンしていた。
うん良い判断だと思うよ!
「あれ!?柚ちゃんがここ一年で一番と言えるくらいの満面の笑み浮かべてる!!?何か面白かったのかなこれ!!もしかして俺の声オットセイみたいだった?!」
「いや何でそうなるの」
確かに「お゙ゔっ」みたいな声ではあったけどオットセイて。彼のセンスほんと何。
「あー…高木刑事たちの仕事の邪魔しちゃ悪いし、柚さんも早く行こ?もうボク疲れちゃった〜!」
「お、じゃあもう帰ろうか。皆送って行くよ」
「俺たちこれからポアロに行くから大丈夫だぜ!」
「あら、じゃあ私は家まで送って貰おうかしら。時間あるなら少しお話しましょう」
にこりと笑って私は彼女の手を握った。
「哀ちゃんって柚さんの前だと全然違うね」
「きっと彼女が大好きなんですね!」
「…むー」
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明菜 - あんこさん» ありがとうございます! (2018年12月22日 10時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 明菜さん» 回答遅くなり申し訳ございません!梓ちゃんと夢主ちゃんは親友と言うよりは互いの良き相談相手という感じです! (2018年12月21日 13時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
明菜 - 質問ですが突然でごめんなさい。お話しの中では梓ちゃんと夢主ちゃんは親友ですか? (2018年12月15日 23時) (レス) id: 3d7672005c (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう(プロフ) - あんこさん» やったあ!!!待ってるね!!!!! (2018年11月30日 22時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - かりんとうさん» りょかりょか!これ完結させたら多分きっと書くから待っててな!! (2018年11月30日 13時) (レス) id: 6e1ddb073f (このIDを非表示/違反報告)
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