もう少し優しくなれませんか皆さん【文豪ストレイドッグス】

ツンデレ83 ページ33

また次の日。

連日休むと流石に(給金が)やばいので嫌々ながらも出勤する事にしました。

「お早う御座いま……」

絶句。

正に絶句。

出社と同時に目に入ったその光景は、地獄絵図。

台風でも過ぎ去ったのかと思う程に荒れた部屋と、色んな人の倒れた姿。

私は扉を閉めようとした。

「待て」

後ろから肩を掴まれる。

私は驚いて勢い良く振り向きその相手を殴ろうとしたら止められた。

恐る恐る反射的に瞑った目を開けると、其処には疲れ果てた顔の社長が居て。

「ミィちゃんの煮干を頼めるか」

「あっ、は、はい…」

私はそう答えざるを得なかった。

帰ったら復活していた皆さん(と社長)に完全包囲でお説教食らいました。

「工合が悪かったのなら誰かを呼べ。電話にも出ない故ポートマフィアの小さき幹部達まで乗り込んで来たぞ」

「あ、何かもう、見て判ります…居る筈の無い人が其処に居ますもん……」

小さき幹部(笑)

あっ、いや、何でもないです済みません。

心の中で笑って遣った筈なのに無言の圧力を感じた為心の中で謝った。

「あ、あのっ！」

「なに？中島君」

「……し、で良い、です」

ん？

私の聞き間違いじゃ無ければその前にあつ、という文字が入っていた様な。

「ごめんもう一回」

「だっ、から！僕の事敦って呼んで下さいって云ってるんです！」

「中島にしろって云ったの君じゃん」

「云って無いですから！」

“……余りにも可愛いからついあんな態度取って其から呼んで呉れなくなっちゃったし”とぼやく中島君。

うん、私としても中島君って呼び難いから中島か敦君かで悩んでたよ。

中島は何か、うん。級友感あるから控えてました。

「判った判った、敦君ね」

するとナオミちゃんに押されたのか谷崎君が私の背中に突撃した。

鏡花ちゃんがギンッと一瞬殺意を膨らませる。

え、待って私の天使が怖い。

「さっ、兄様頑張って」

語尾にハアトが付かんばかりに云うナオミちゃん。

谷崎君は真っ赤な顔で少し口をはくはくさせていた後、意を決した様に“ぼ、ボクも、名前にして下さい”と顔とは裏腹に迚もか細い声で云った。

私は思わず吹き出して、笑い乍ら云う。

「そう来ると思ったよ、潤一郎君。長いから潤君ね！」

「えﾞっ」

仕返しだと云わんばかりに私は笑った。

少なくとも今は、私と友人として話して呉れている彼等に少しだけ感謝した。

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