困り事21つ目 ページ22
「結、どういう事？」
「何がですか？」
「親が、神様？全て正しい？お前さ、何言ってるか分かってるの？」
「え？ええ、分かってますが…だって親はこんなぼくを産み育ててくれた天上の御人の様な素晴らしい方々です。そんな方々の教えでぼくはここに立っていますので。あ、でも勘違いしないで下さいね。それ程尊敬している親に少年のされた様な事が正しいものと教えられた場合の話ですよ。ぼくの両親はぼくに首輪を付け殺そうとなんてしません」
本心からの言葉だ。それは分かる。言いたい事も分からなくはない。少年時代の親からの教えというのはどこか洗脳的で、絶対だ。でも、神様。神様だって。どう育てたら親を神様だと思う子になると言うのか。
更に尋ねようとした所で松田が駆け寄ってきた。松田は結がどこか不安定で危うい事を知らない。俺も確信がある訳じゃ無い。今ここで尋ねるべきではないか。不思議そうな顔で俺を見上げる結の頭をくしゃりと撫でてやりながら、俺はなんでもないように笑って見せた。
「松田！聞いてくれよ、結がやってくれたぜ」
「そこで他の隊員に聞いたぜ。男児一人保護したんだってな。よくやった」
「でも爆弾を解体してくれたのは研二くんですし、保護して下まで連れて行ってくれたのも研二くんですよ？」
「ハ、世間は最初に男児が中に居ると気付いたお前がお手柄って認識するとは思うがな」
「そうそう！津守結巡査お手柄！ってね！」
結は顔を真っ赤にしながら俺たちを見て、それから「お手柄と言うなら、研二くんも一緒じゃないと、いや、です」なんていじらしい事を言うものだから松田と二人で顔を見合わせて、目一杯可愛がってやった。
結は見目通りの素直な男であるからして、親が神様と同等だと言った事も、彼の両親が彼に首輪を付けるような人では無いと言った事も、嘘では無いんだろう。だから余計に分からなかった。警察学校で見掛けた彼の母と人物像がどうしても合わない。彼の母は優しそうに微笑む美しい女性だった。なら神様と教えこんだのは誰か。
会った事が無い彼の父かもしれない。
家では彼女が豹変するのかも知れない。
憶測で物を言ってはいけない。分かってはいるが、思わずにはいられなかった。
食事量、あの表情の理由と条件、親の正しさをどこまで信じているのか。知りたい事ばかりが増える。
結には悪いけど、ちょっと調べさせて貰おうかな。弟を守るのも、兄の務めだもんね。
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侑(プロフ) - ついに親友公開と爆処組に真実を、！！高木ほんと優しい…萩と松田も…更新楽しみにしてます！！ (2022年6月6日 5時) (
レス) @page45 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - とても面白いです。更新頑張ってください❗ (2022年5月6日 18時) (レス) @page33 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - またの更新楽しみにしています！ (2022年5月2日 19時) (レス) @page33 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
れぃと(プロフ) - おっ…!?ついに､ついにか……!? (2021年7月5日 22時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - 夢主くんは幸せにして欲しい… (2021年7月4日 23時) (レス) id: b4c500a793 (このIDを非表示/違反報告)
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