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困り事17つ目 ページ18

ある日の昼頃。

「結!」

突然門の方から名を呼ばれた。振り向くと、外行きの笑顔を浮かべてぼくを手招く母が。

「お前のお袋?」

「そうです!独身寮に荷物を持って行くのに迎えに来てくれたみたいですね。じゃあ準備があるので失礼します」

「あ、待て!」

「はい?」

「可愛い結を産んでくれた女性なんだろう?きちんと挨拶しなければ!!」

「だな!あわよくば公認になりたい」

「…迷惑は掛けないように僕たちもついて行こう」

車の傍で待つ母の元に段ボールを幾つか抱えて駆け寄る。

荷物を取りに行くだけかと思っていたのに随分と遅くなった事に眉を顰めながらも、ぼくの背後に居る5人の顔を見て「友人?」と訊ねられる。「学校でお世話になった方です。年若いぼくをよく気に掛けて下さって」と答えれば「仕方ないわね」と言いながら、にこやかに5人に合流した。

「結くんのお母さんお若くて綺麗ですね」

「まぁお上手。皆さんには息子が随分お世話になったみたいでありがとうございます…良ければお礼をさせて頂きたいわ。是非卒業前に家へおいでになって下さいな」

「結の生まれ育った家ですか?!」

「ええ」

「「是非」」

「お前らちょっと黙ってろ。…すみません、遠慮を知らない奴らでして」

「お気になさらず。皆さん遠慮せずお越し下さい」

口元に手を当て微笑む母。どうやら気に入ったらしい。タイプは違えど皆整った顔をしているからだ。少しばかり申し訳なく思いながらも母は喜んでいるようなのでまぁいいか、と思考を切り替えた。

5人に手を振り別れ、車に乗り込む。運転をしながら上機嫌なままに、母は「貴方が殉職すれば葬式には彼等も来るのかしら」と言う。

「来ると思う。5人とも特にぼくを気に掛けてくれたから」

「そう、なら良いの。厄介者が死んでお金も入る。その上イケメンに慰めて貰えるなんて素敵だわ」

「狙った訳じゃないけど…喜んで貰えて良かった」

母が喜んでいる。嬉しそうだ。ぼくも嬉しい。

警察学校を卒業してすぐ死ぬかどうかは分からないが、出来れば早く…5年程で死にたいと思う。

信頼、地位、実績…ある程度得られれば両親も満足してくれるだろう。警察学校を卒業すればそのまま独身寮に入り、両親と暮らす事は無い。

最終的に殉職する為に警察学校に入った。

死ぬ為に今を生きている。親元も離れて。…死んだ後に褒められて何になるんだろう。

唐突に頭に浮かんだ不安には、気付かない振りをした。

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(プロフ) - ついに親友公開と爆処組に真実を、!!高木ほんと優しい…萩と松田も…更新楽しみにしてます!! (2022年6月6日 5時) (レス) @page45 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。更新頑張ってください❗ (2022年5月6日 18時) (レス) @page33 id: b70e4d72d6 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - またの更新楽しみにしています! (2022年5月2日 19時) (レス) @page33 id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
れぃと(プロフ) - おっ…!?ついに、ついにか……!? (2021年7月5日 22時) (レス) id: 40283c6b11 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - 夢主くんは幸せにして欲しい… (2021年7月4日 23時) (レス) id: b4c500a793 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんこ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年5月13日 12時

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